著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
調べ学習・読書活動など…図書館活用の授業で大活躍の掲示ポスターアイデア集
前京都女子大学教授井上 一郎
2017/7/6 掲載

井上 一郎いのうえ いちろう

国語教育学を基盤に教育改革を目指す教育学者。奈良教育大学助教授、神戸大学教授。文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官・学力調査官、京都女子大学教授歴任。

―本書は、学校図書館活用のための掲示ポスターやポイントシートをまとめたものですが、本書ができるに至った経緯を簡単に教えてください。

 学校図書館活用は、学習の基盤として必ずカリキュラム・マネジメントして具体的に日常化しなければなりません。しかし、まだまだ本の倉庫という状態にもあります。そこで、まず『思考力・読解力アップの新空間!学校図書館改造プロジェクト』(2013)を展開できるように3つの小学校の実践を踏まえて方法論を提供しました。その後、2016年10月には、国によって学校図書館のガイドラインや司書のカリキュラム改革等の報告書が出され、真に活用する方法を提唱しようと実践に取り組み、体系化したのが本書です。

―本書に掲載されているポスター&活用ポイントシートの構成と活用方法について教えてください。

 学校図書館の利活用を第1に編集しました。必要な利活用の知識をコンサイスにまとめています。第2には、本を利活用する最も必要感を感じる調べ学習の方法が分かるようにするとともに、選書した本を読解する能力も育成できるようにアドバイスしています。第3には、本を楽しみながら日常的に活用する児童像を描けるように編集しています。最後に、ブックリストの例を見せています。系統化し、子どもがチャレンジしていけるように工夫しました。

―3月に公示された新学習指導要領において、読書活動や学校図書館の利用はどのように求められていますか。

 学校図書館の利活用は、総則において各教科等で展開するように書かれています。特に、国語科では指導内容として指導事項を設定し、言語活動例にも明確に位置付けています。アクティブ・ラーニングのために学校図書館を利用するとともに、読解力を育成することに関連するように読書活動を具体化していくことが重要です。

―本書は『思考力・読解力アップの新空間!学校図書館改造プロジェクト』の続編とのことですが、2冊はどのように活用するとよいでしょうか。

 『思考力・読解力アップの新空間!学校図書館改造プロジェクト』は、学校全体で学校図書館をどのように改造すればよいのかという具体的な方法を示していますので、それらを参考に実際化してください。また、各教科等で学校図書館を活用した指導案例を提案していますのでこれらも参考になります。本書では、学校図書館の掲示物としたり、教室で学校図書館に関することを促す掲示物としたり、児童生徒に配布したりと様々な活用ができます。また、『読解力を育てる!小学校国語 定番教材の発問モデル 物語文編』『同 説明文編』(2015)、『読書活動でアクティブに読む力を育てる!小学校国語科言語活動アイデア&ワーク』井上一郎編、古川元視著(2015)等の本も刊行していますので同時に活用してください。

―最後に、全国で図書館活用をされている先生方(司書教諭も含む)に一言お願いいたします。

 学校図書館に関わって努力されている先生方は、とても士気が高く、責任も強く感じて行動しています。このような情熱を学校全体に広げるためにも、子どもたちに学校図書館の活用を具体化する楽しいチャートを開発しました。知識・技能は、本の中に、そして本を出て現実に影響を与え、またその知識・技能が本になって叡智となります。どうぞ、粘り強く、学校図書館が子どもの学習においても、心の豊かさにおいても、幸福の場となるように頑張ってほしいと願っています。

(構成:木山)
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