読解力を育てる!小学校国語 定番教材の発問モデル 説明文編
アクティブ・ラーニング型授業づくりのヒント

読解力を育てる!小学校国語 定番教材の発問モデル 説明文編アクティブ・ラーニング型授業づくりのヒント

好評3刷

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アクティブ・ラーニング型の授業を作る国語発問集の決定版

アクティブ・ラーニング型の授業を行うには、子どもが自ら学ぶよう仕掛ける教師の発問力が重要。そこで本書では子どもが主体的に学ぶ仕掛けを盛り込んだ発問を定番教材毎に丸ごと収録!説明文編は「はたらくじどう車」「自然のかくし絵」他25教材収録。


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PDF
ISBN:
978-4-18-191413-4
ジャンル:
国語
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年5月13日

もくじ

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はじめに
第1章 アクティブ・ラーニング型の国語授業をつくる教師の「発問力」
「発問」で国語授業が変わる!
読解及び読書活動における発問づくりの7つのポイント
1 学習者から見た発問構想
2 発問の基盤となる教材開発
3 単元構想及び授業に基づく発問の展開
4 読解と読書活動に応じる発問
5 読書のプロセスに応じた発問
6 精読力・読書力を向上させる発問
7 発問の種類と発問のための学習用語
第2章 読解力を育てる!説明文の発問モデル
1 どうぶつの赤ちゃん 第1学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
コラム:文章構成を精読し,発問を鍛えよう
2 いろいろなふね 第1学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
3 歯がぬけたらどうするの 第1学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
4 はたらくじどう車 第1学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
5 どうぶつ園のじゅうい 第2学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
6 おにごっこ 第2学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
7 ふろしきは,どんなぬの 第2学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
8 さけが大きくなるまで 第2学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
9 すがたをかえる大豆 第3学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
10 自然のかくし絵 第3学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
11 人をつつむ形―世界の家めぐり 第3学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
12 めだか 第3学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
13 動いて,考えて,また動く 第4学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
14 ウナギのなぞを追って 第4学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
15 くらしの中の和と洋 第4学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
16 ヤドカリとイソギンチャク 第4学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
17 生き物は円柱形 第5学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
18 天気を予想する 第5学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
19 百年後のふるさとを守る 第5学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
20 動物の体と気候 第5学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
21 新聞記事を読み比べよう 第5学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
22 世界遺産白神山地からの提言―意見文を書こう 第5学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 単元モデル
B ワークシートの実物モデル
23 生き物はつながりの中に 第6学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
24 『鳥獣戯画』を読む 第6学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
25 未来に生かす自然のエネルギー 第6学年
@ 教材の趣旨と特徴
A 教材の解釈と基本的な発問例
B 授業化のアイデアと単元モデル
C ワークシートの実物モデル
執筆者一覧

はじめに

アクティブ・ラーニングを支える教材解釈と発問 /井上 一郎


 長年,子ども自らの主体性を重視した授業の必要性を提唱し,また,実際に指定校や研究会員の勤務校を通して教育課程においても,授業においてもその実現を図ってきた。今,ようやくそのような主体的・協働的な学習であるアクティブ・ラーニング(Active learning)が広く求められるようになった。しかし,まだその実現に大きく立ちはだかる問題がある。読む能力を高めるための発問が構想できないということである。教師自ら児童・生徒がActiveになれるような発問を構想するのが困難な状況にあるのである。単元構想なら,あるいは,授業展開なら一定の形式化を図り,周囲が支援することも可能だ。だが,読むことの領域において,教材一つ一つの解釈を施し,発問の可能性を探る作業は,一人一人の教師にとって決して楽ではない。精読主義でありながら,その実際は,場面や段落ごとに同じ発問を繰り返す旧来の方法では,とても新しい時代の学力観に対応できない。


 現在でさえも,以下のような声を聞く。ベテラン教師は,学習者を中心とする授業観の転換に合わせられないと嘆く。一方,新任教師や経験の浅い教師が教育現場に就任し,その数は飛躍的に増えた。だが,これらの教師も,このような教材解釈や発問の訓練を受けていない。

 若い教師が陥る負の連鎖という現象がある。彼らが子ども時代に受けた国語科の授業,とりわけ読むことの授業は,場面や段落ごとに毎回同じような小単位の発問を繰り返し,その場で思いついた解答をすると,教師がそれらしく叙述や内容に沿った「解釈」や「解答」を説明するという授業のイメージから離れられず,負の遺産が彼らを拘束するのである。いわば,解釈を「強要する」ことは,誰もが子ども時代に辟易した感慨であろう。解答に理由や根拠がない。納得がいかない。国語嫌いが進行し,早ければ中学生の頃には挙手さえも億劫になる。


 では,アクティブ・ラーニングに対応できるような発問は,どのように構想すればよいのか。本書は,5年以上にわたって「全国国語教育カンファランス」の会員が,教材解釈と基本発問,言わば〈発問作りの基本と実際〉に取り組んだものである。実際の教材を分析,解釈し,基本となるべき発問の構想及びそれらに基づいた実際の単元展開とワークシートの作成を進めた。教材は,学年別に代表的な作品を取り上げている。物語文は17教材,説明文は25教材である。


収録教材一覧

【物語文】

低学年

1年 1 おおきなかぶ

   2 くじらぐも

   3 サラダでげんき

2年 4 スイミー

   5 わたしはおねえさん

   6 ニャーゴ

中学年

3年 7 モチモチの木

   8 ゆうすげ村の小さな旅館

   9 サーカスのライオン

4年 10 一つの花

   11 ごんぎつね

   12 走れ

高学年

5年 13 大造じいさんとガン

   14 わらぐつの中の神様

   15 世界でいちばんやかましい音

6年 16 やまなし

   17 きつねの窓


【説明文】

低学年

1年 1 どうぶつの赤ちゃん

   2 いろいろなふね

   3 歯がぬけたらどうするの

   4 はたらくじどう車

2年 5 どうぶつ園のじゅうい

   6 おにごっこ

   7 ふろしきは,どんなぬの

   8 さけが大きくなるまで

中学年

3年 9 すがたをかえる大豆

   10 自然のかくし絵

   11 人をつつむ形―世界の家めぐり

   12 めだか

4年 13 動いて,考えて,また動く

   14 ウナギのなぞを追って

   15 くらしの中の和と洋

   16 ヤドカリとイソギンチャク

高学年

5年 17 生き物は円柱形

   18 天気を予想する

   19 百年後のふるさとを守る

   20 動物の体と気候

   21 新聞記事を読み比べよう

   22 世界遺産 白神山地からの提言―意見文を書こう

6年 23 生き物はつながりの中に

   24 『鳥獣戯画』を読む

   25 未来に生かす自然のエネルギー


 授業の実例については,次のように構成した。

 1 教材の趣旨と特徴(系統性)

 2 教材の解釈と基本的な発問例(解釈に基づいて基本的な発問例を示している。授業にあたってはこのモデルから選んだり新たに工夫して発問をつくるとよい。)

 3 授業化のアイデアと単元モデル


 本書刊行は,関西,北九州,九州北部の国語教育カンファランスの会員が日常の多忙さと長期にわたって執筆課題を抱えて追究する強靱なマインドなしには為し得なかった2冊シリーズである。今回も明治図書の木村悠さんには,大変お世話になった。執筆者と編集者,そして出版社とが一体となってこそ刊行の事業を実現できる。協力してくださった全ての人に感謝したい。多くの人に知られ,本書が活用されることを願ってやまない。

著者紹介

井上 一郎(いのうえ いちろう)著書を検索»

奈良教育大学助教授,神戸大学教授,文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官,国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官・学力調査官を経て,現在京都女子大学発達教育学部・大学院発達教育学研究科表現文化専攻教授。国語教育学者。「全国国語教育カンファランス」「全国読書活動研究会」「国語教育公開講座」等を主宰。「小学校全国国語教育連絡会」会長。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • アクティブラーニングとともに発問の仕方が具体的でわかりやすかった
      2016/10/840代・教員
    • アクテイブラーニングとは、なんぞやについて具体的に書いてあり、すぐに実践できました。
      2016/9/3くげざいる
    • 仕事に使えて良い
      2016/8/2720代・小学校教員
    • 一単元についてもっと最初から最後までの流が見たかった
      2016/8/1250代 小学校教諭
    • もう少し幅広くとりあげてほしい
      2016/8/640代・小学校教員
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