- 著者インタビュー
- 授業全般
今回の学習指導要領の改訂は今までの学習指導要領の改訂と根本的に違います。一言で言えば、少子高齢化で国内市場の規模が縮小している日本という国が生き残るために、持てる権限を総動員しているという点です。その意気込みはかってないものです。それを端的に表しているのはアクティブ・ラーニングです。
この段階的表示に関しては、現在も保守派と改革派の間で壮絶な政治闘争が行われています。従って新テストの初期の段階からどれだけ段階的になるかは分かりません。しかし、段階的表示によって今までの受験産業にコントロールされていた日本の教育を本質的に変えようとしていることは確かです。
学校現場の先生方は、新しいものが出ると「どうすればいいの?」と直ぐに方法を知りたがります。本書で書いているように方法は何でもありなのです。そのため、今までより少し変えればアクティブ・ラーニングだという誤解が広がっています。しかし、アクティブ・ラーニングは日本の生き残りのための教育です。先生方の意識改革が求められています。
何度も書いていますように、今回のアクティブ・ラーニングは日本の生き残りのために生まれました。まずは入試改革と一体化させることによって「やったふり」が出来ないようにしています。
しかし、アクティブ・ラーニングが本当に生き残りに繋がるためには、次々と施策を出していきます。それは小中高においてはキャリア教育の改革に繋がるでしょう。そして、大学教育及び教員養成の劇的な変化に繋がると予想しています。
アクティブ・ラーニングで大事にしているのは方法ではありません。「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成」という目的なのです。即ち、教科指導と生徒指導の融合です。おそらく、それの方法論が最も確立されているのは『学び合い』だと思っています。
改革には痛みが伴います。いずれにせよ自己改革しなければならないならば、嫌々やるよりも、チャンスととらえる方が「得」です。アクティブ・ラーニングによって今まで不可能だったことが可能になるチャンスです。