著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
誤り分析で子どもの学びサポートを!
大阪府堺市立日置荘小学校山田 充
2015/1/16 掲載
今回は山田充先生に、新刊 誤り分析で始める!学びにくい子への「国語・算数」つまずきサポートについて伺いました。

山田 充やまだ みつる

小学校首席教諭 S.E.N.S(特別支援教育士)スーパーバイザー
自閉症スペクトラム支援士アドバンス
日本LD学会代議員

―本書書名にある「誤り分析」とはどういうものでしょうか?

子どものテストやノート等の誤っている部分が、どのような理由やプロセスで誤っていったのかを分析することです。この誤りのプロセスを考える事で、子どもの特徴や誤った原因がわかります。これが、わかることで適切な支援方法を考えていくことができます。子どもの困難の要因に沿って支援方針をたてるので、効果的な支援方法を導き出すことができます。

―発達障害のある子は国語や算数でどんなつまずきをもちやすいのでしょうか。

発達障害のある子どもたちは、認知の偏りや注意や集中の困難さを持っているため、一般的な子どもたちよりも、何度も間違えたり、勘違いが修正されないまま、学びを続けていたりします。他の子どもたちが当然できることができなかったり、何度説明してもわからなかったりするので、「お手上げ」状態になってしまいます。教えても、教えても、わかりにくいのが特徴です。

―Q2のようなつまずきをもつ子にはどんなサポートができるのでしょうか。

サポートを考えていくときに大事なことは、スモールステップにすることでも、あれやこれや教材をあたえていくことでもありません。大事なことは、なぜ「つまづくのか」ということをしっかりアセスメントして、そのことへの対応するようにサポート方法を考えることです。そのために「誤り分析」は必要です。

―本書をどんなふうに活用していただきたいとお考えでしょう。

 先生一人で取り組んでいただくことは、大切ですが、一歩進めて、学年や研究会など、複数の先生方で、本書を参考に実際に「誤り分析」を進めてほしいと思います。

―最後に学びにくさがある子をサポートされている先生や親御さんに向けて応援のメッセージをお願いします。

 「誤り分析」は子どもの困り感や困難の要因を見つけ、それに沿った対応を考えるということになります。これは、子どもとその学習について「科学的」に考えるということです。教育に科学の手法を持ち込んで、子どもたちの「できる」を支えていくために皆さんの力を貸していいただきたいと思います。

(構成:佐藤)

好評シリーズ
コメントの受付は終了しました。