- 著者インタビュー
- 算数・数学
グループ学習と言えば、自力解決後のグループで各自の考えを交流し説明し合う学習と思われていますが、それだけでなく、協同的問題解決、つまり、各自がアイデアを出し合いながら仲間と一緒に1つの解法を作り上げるプロセスを共有する学習としてとらえることも大切です。多様なグループ学習の方法があることを知って、効果的に算数授業に取り入れてほしいと思ったからです。
いっしょに考える、分からないことを聞く、聴いて考える、よりよい考えを見つける、4人が説明できるようになることなどのグループ学習の約束を指導した上で、継続的にグループ解決に取り組ませると、全員が解決した上でクラスの話し合いに入れることだけでなく、グループ学習時に子ども自身でよりよい解法や表現を追究するなどグループ学習の質を高めることができます。また、仲間といっしょに学べるという安心感をもって学習に向かうので、意欲面にもプラスに働きます。
学び合いの授業づくりの基本を理解するのには『子どももクラスも変わる!「学び合い」のある算数授業』が、高め合う授業づくりのための子どもの聴き方・つなげ方や教師の働きかけを理解するのには『聴く・考える・つなぐ力を育てる!「学び合い」の質を高める算数授業』が役立ちます。さらに『「学び合い」で学級力&算数力アップ! 小数・分数のかけ算・わり算の授業』と『「学び合い」で必ず成功する! 小学校算数「割合」の授業』は、それぞれ「小数・分数の乗除」と「割合」の学習指導の際の学び合いの取り入れ方に役立ちます。
意図的に他者とかかわりながら一人ひとりの子どもが思考し表現する活動を取り入れるような算数授業を行うことが必要です。協働で問題解決を行うグループ学習もその代表的な学習になりうると思います。
グループ学習だけが協同的問題解決ではありませんが、子どもが聴いて・考えて・つなげて学び合う算数授業をつくるには、グループ学習を取り入れることが効果的です。相談、グループ解決、話し合いなどのグループ学習を取り入れることできっと子どもの自ら学び合う姿を見つけることができると思います。