- はじめに
- 1章 学び合いを楽しみ深めるグループ学習
- 1 なぜ,算数授業にグループ学習を取り入れるのか
- 1 グループ学習のよさ
- 2 生徒指導の3機能の面から
- 3 グループ学習で身につく力
- 2 グループ学習の5つの役割
- 1 分からないことを質問し,聞いて理解できる
- 2 いっしょに考え,発見を共有できる
- 3 方法を評価したり多様に考えたりする
- 4 仲間が分かるようによりよい説明を考える
- 5 新たな発見や理由の追究を行う
- 3 グループ学習を子どもはどう受け止めているのか
- 1 子どもはグループで考えをホワイトボードにまとめる活動を好む
- 2 子どもはグループ学習で協同的な学びを目指している
- 3 グループ学習では話す・聴く・考える力が育つ
- 4 グループ学習を2年間受けた6年生の座談会
- 1 グループ学習の受け止め方
- 2 助け合いながら学ぶことのよさ
- 3 友達の考えを聴いて考える場
- 4 グループ学習を通して身についた力
- 5 友達に相談しやすい授業のここちよさ
- 6 自分で考える力を育てるグループ学習
- 2章 グループ学習を取り入れた算数授業づくり
- 1 グループ学習の3つのタイプ
- 1 グループ相談
- 2 グループ解決
- 3 グループ隊形での個人学習
- 2 グループ学習の質の4つのレベル
- 1 グループ学習の質の4つのレベルとは
- 2 レベルAのグループ学習の様子
- 3 レベルBのグループ学習の様子
- 4 レベルCのグループ学習の様子
- 5 レベルDのグループ学習の様子
- 6 いろいろなグループ学習の様子から分かること
- 3 グループ学習の指導の仕方
- 1 机を合わせて顔を見合おう
- 2 誰かが口火を切ろう
- 3 一人ずつメンバー全員を意識して話そう
- 4 様子を見て友達を気にかけよう
- 5 異なる意見を話題にしてよりよい考えについて話し合おう
- 6 自分たちの発見をまとめよう
- 7 発展問題をつくって解こう
- 8 学び合いや今日の学習を振り返ろう
- 4 深め合うグループ学習を目指すための指導の工夫
- 1 シナリオを用いたグループ学習の指導
- 資料:グループ学習シナリオ
- 2 グループ学習シナリオの解説
- 3 グループ学習の仕方をシナリオ学習で学んだ子どもの振り返り
- 3章 効果的なグループ学習の活用法
- 1 グループ学習の6つの取り入れ方
- 1 問題1の見通しを全体で話し合い,グループで解決する授業
- 2 問題1を全体,問題2をグループ,問題3を個人で考える授業
- 3 問題1を全体,問題2を個人,問題3をグループで考える授業
- 4 問題1の見通しをグループで相談し,グループで解決する授業
- 5 問題1を全体で容易な解法で解き,別解をグループで考える授業
- 6 問題1を個人で考え,グループでよりよい解法を考える授業
- 2 グループ学習を効果的に取り入れた5年面積単元の指導計画
- 1 単元を通して育てたい力と単元指導計画構想
- 資料:単元指導計画表
- 2 協同的な学びを軸とした算数授業
- 3 グループ相談を取り入れた解法の見通しの共有化を図る協同学習
- 4 面積公式をつくるグループ解決を取り入れ,公式の意味理解を深める協同学習
- 3 グループ学習後の考えの取り上げ方
- 1 解決結果を一斉に提示する場合
- 2 解決結果を一斉に提示しない場合
- 3 グループ学習で解法を話し合わせ,必ずしもホワイトボードにまとめることはしない場合
- 4 全体での発表ではなく,グループどうしで考えを交流させる場合
- 4 グループ学習後の話し合い場面における話し方・聴き方の指導
- 4章 グループ学習を取り入れた算数授業の実践事例
- @ねらい
- A授業展開プランと授業設計の考え方
- Bグループ学習のねらい
- Cグループ学習後のグループの考えの取り上げ方
- D学び合いのある授業の様子
- 1 グループ学習後に考えを一斉提示する授業
- 1 グループの考えの妥当性や表現のよさを検討する
- 〔3年〕わり算を使って
- 2 グループの考えを分類整理し,それぞれの考えを理解する
- 〔6年〕円の面積
- 2 グループ学習後に順番に考えを提示する授業
- 1 取り上げられたグループの考えの表現のよさを見いだす
- 〔2年〕数の相対的な見方
- 2 2つのグループの説明を比較し,説明の仕方を検討する
- 〔3年〕説明の仕方を学ぼう
- 3 解法ごとにグループの考えを話し合い,工夫や共通点を考える
- 〔2年〕かけ算の応用
- 4 解法ごとにグループの考えを話し合い,統合する
- 〔5年〕ひし形の面積
- 5 グループの考えを伝え合いながらよりよい解法をつくる
- 〔6年〕点対称
- おわりに
はじめに
私たちが協同学習を取り入れ,学び合いのある算数授業づくりに取り組み始めて5年目になります。2012年の夏以降これまでに『「学び合い」のある算数授業づくり』の本を4冊出版しました。5冊目にあたる本書は,協同的な問題解決の有力な学習形態である「グループ学習」に焦点をあてています。学び合いのある算数授業づくりに取り組む上で,グループ学習は欠かせません。グループ学習だけが協同学習ではありませんが,子どもどうしが仲間と対話しながら思考し,よりよい表現を考える姿が,グループ学習ではよく見られます。グループ学習を取り入れることで,子どもが相談し話し合いながら考えることを楽しみ,思考力・表現力を育てることができます。
本書の1章では,グループ学習時の子どもの発話を紹介し,グループ学習の5つの役割を紹介しました。2章と3章では,グループ学習の質の4つのレベルやグループ学習の指導の仕方,グループ学習の取り入れ方を解説しました。4章では,低・中・高学年の授業実践例を紹介し,グループ学習のねらいとグループ学習後のグループの考えの取り上げ方を解説しました。本書が全国の小学校の先生方の算数の授業改善のきっかけになれば幸いです。
なお,本書は,科学研究費助成事業基盤研究(C)(課題番号25381171)「協同的な学びを軸とする算数授業モデルの構築に関する実証的研究」(平成25年度〜平成29年度)の補助を受けて,石川県小松市立苗代小学校,小松市立第一小学校,能見市立辰口中央小学校で行われた授業実践をもとに書かれています。
最後になりましたが,明治図書の木山麻衣子氏には企画段階から大変お世話になりました。また編集段階では有海有理氏に大変お世話になりました。感謝申し上げます。
2015年1月 /石田 淳一
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- 明治図書