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- 学級経営
何よりも大切なものは、教師の笑顔です。教師がおもしろいことをして、子どもたちを笑わしましょう……ということではないですよ。ただ、ニコニコしているだけでいいんです。まずは、教師自身がプラスのオーラを教室中にふりまこうということです。「笑顔の教師が笑顔の子どもを育てる」は、楽しい学級づくりをするための黄金律だと考えています。
「できたか・できていないか」にこだわりすぎると、子どもたちが見えなくなってきます。必ずしも「育てる=できるようにする」ということではありません。例え、できていなくても、やろうとする意識が伸びていればよしとするのです。それよりも、子どもたちを「伸びたか・伸びていないか」で見るようにしてください。
「褒められることもなければ、叱られることもない子どもたちに注目しましょう」ということです。教師の意識がふだん届きにくいこの子たちを常に意識することによって、クラスの全員の子どもたちが見えてきます。教師が無意識に行っている行為を意識化するのです。また、このことは、「Bの行動に注目せよ」という行動面でも同じことが言えます。
ボクサーは、「相手が右のパンチをうってきたから、こうよけよう」なんて考えながら、パンチをかわしているわけではありません。考えて動いていては遅すぎるからです。つまり、意識しなくても体が動くようにならないといけないのです。褒めることも同様です。そのための練習の一つが「ほめ述語」をストックするということになります。
ポイントは、ズバリ「距離感」です。多くの若い先生方は、なんとかしようという想いから、いきなり「やんちゃ」な子に近づきすぎる傾向があります。百戦錬磨な子にとっては、その姿をわざとらしく感じ、教師が媚を売っているように映ることがあります。こうなっては、子どもとの信頼のパイプをつなぐことはできません。
「学級づくり」と「授業づくり」は、お互いリンクしています。
……という意味も込めまして、今回、自分の力量も顧みず、学級づくりと授業づくりの本を2冊同時に書かせていただくことにしました。自分にとっても一つの挑戦でしたが、意外や意外、楽しくクリアーすることができました。ぜひ、ご覧ください。