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小学校で行う「読み書き」は、慣れ親しむことがねらいとなっています。しかし、アルファベットの読み書きは定着です。つまり、読めるようにさせ、書けるようにさせることは必須事項です。このことは、おそらく児童にとって大きな障壁になるかと思います。そこで、遊びを通してアルファベットに慣れ親しませ、いつの間にか書けるようになっていたと思わせるのが本書のアルファベットパズルのねらいです。また、単語を認識したり(「ワードサーチ」)、単語を書き写したり(「クロスワードパズル」)、また音と文字との関連(「文字をひろって単語を作ろう」)や、音韻認識能力に結び付くパズル(「はじめの音な〜んだ」)など、アルファベットを越えた「単語や語句」に慣れ親しむためのパズルも掲載しています。
元々パズルは1人でもできるところに特徴があります。ゲームは対戦相手が必要ですが、パズルは1人でもできます。だからこそ、家に持ち帰ってやることができます。また楽しいパズルは家庭内の話題にもなります。特に「アルファベットナンクロ」は、大人でも楽しめるのではないでしょうか。
本書のコンセプトは、楽しくてちょっぴりためになるです。楽しいが先にあり、その次に勉強になるという順番です。先日、ある方からメールで相談があり、学校が再開しても、授業では話す活動に制限があり、どのような授業をすればよいか質問がありました。私はいつも与えられた環境内で最善のことをするだけと思っていますので、「聞くこと」と「書くこと」の活動アイデアを紹介しました。本書は、アルファベットの文字指導、語句の読み書き等、授業内での学習や家庭学習での課題でお使いいただける内容かと思っています。
アルファベットは定着事項であり、5・6年の2年間をかけて、読める・書けるようにするものです。遊ばせながら、「そうそう。みんな大文字は26文字書ける?」と何気なく調査していくとよいでしょう。順番は、遊ばせてからチェックです。これが最初にチェックだと児童は重たく感じます。最初に十分に遊ばせて「ところでどのくらい書ける?」とオプション的に提示するのです。そしてとても大事なことはほめるということです。「へえ〜、そんなに書けるようになったんだ」「すごいね」とほめてあげることです。そして何より大切なことは、「他人と比較するのではなく、昨日の自分と比較しなさい」と言ってあげることです。
まず教師が構えないことです。教師が楽しく授業をすることです。ただポイントは外さないことです。ポイントとは学習指導要領の目標や内容です。例えば、「読み書き」では、小学校でやることは次の5つだけです。@アルファベットが読める。Aアルファベットが書ける。B語句や表現の意味が分かる。C語句や表現を書き写す。D例文を参考に自分のことについて書く。この5つをやればいいのです。そういったポイントを外さず、授業を楽しいものにし、児童のプラス面をほめていけばよいのではないかと考えます。
英語の授業は楽しいです。そしてその楽しさを、ぜひ児童にも味わわせてあげて下さい。楽しさには、「がはは…」という楽しさと、「へえ〜、そんなんだ」という知的な面白さがあります。わかる授業や力のつく授業は、児童にも頑張ってもらわなくてはいけませんが、楽しい授業は、教師の努力でいくらでも作ることが可能です。あと、どうか自己投資を惜しまないでください。自分の教師としての力量を高めるためには、どうかお金をかけて学んでください。それがきっと皆さんの力となるはずです。どこかでお会いできます日を楽しみにしています。共に精進してまいりましょう!