著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
デキる教師になれるかは、3年目で決まる!
川崎市公立小学校土居 正博
2020/5/23 掲載

土居 正博どい まさひろ

1988年、東京都八王子市生まれ。創価大学教職大学院修了。川崎市公立小学校に勤務。国語教育探究の会会員(東京支部)。全国大学国語教育学会会員。国語科学習デザイン学会会員。全国国語授業研究会監事。教育サークル「深澤道場」所属。教育サークル「KYOSO’s」代表。『教師のチカラ』(日本標準)編集委員。著書に、『クラス全員に達成感をもたせる!1年生担任のための国語科指導法―入門期に必ず身につけさせたい国語力―』『教員1年目の教科書 初任者でもバリバリ活躍したい!教師のための心得』『クラス全員が熱心に取り組む!漢字指導法―学習活動アイデア&指導技術―』(明治図書)。

―本書は、大好評の『教員1年目の教科書 初任者でもバリバリ活躍したい!教師のための心得』のシリーズ続巻にあたるものです。今回、“3年目”にフォーカスした理由を教えてください。

 3年目頃が大きな岐路だと思うからです。道は二つです。一つが、初任者の頃はあんなに毎日必死に過ごしていたのに、3年ほど経って教職に慣れ、学級経営や授業をそこそこ安定させられていることに満足し、努力しなくなる道です。もう一つが、慣れたことに満足せず努力を続け、自分を高めていく道です。ここで重要なのは、恐らく教師全員にどちらの道がいいか尋ねたら、ほぼ全員が後者を選ぶはずですが、知らず知らずのうちに前者の道を辿ることが多いということです。つまり、無自覚的に「慣れ」に埋没していくのです。何を隠そう、私がそうでした(詳しくは本書をお読みください)。ですから、本書の大きな役割の一つは、3年目頃の教師に、自分が今どちらの道に進もうとしているのか「自覚」していただくことだと思っています。

―土居先生は、3年目のときにあるきっかけ(詳しくは本書にて!)で“飛躍する教師”となられましたが、実際にグイッと飛躍する過程で、大変だったことなどはありますか?

 「努力の仕方」です。あることをきっかけとして、3年目の私は「このままではいけない!」と自分の惰性に気づいたのですが、その後が大変でした。このままではいけないけれども、どう努力したらよいのか分からないのです。教育現場は多忙を極めます。そんな中、一見教職に慣れてきて学級も安定しているように見える先生(つまり、本書が対象としている3年目頃の教師ですね)に対して、誰が手取り足取り「次にあなたはこういうことをすべきだよ。その次はこう」と指導してくれるでしょうか。初任者や、学級が崩れかけている先生のサポートで手一杯なのが実状ですよね。つまり、3年目頃の教師は、大きな岐路に立たされているにも関わらず、現場では放っておかれやすいのです。幸い私は、大学からの恩師である石丸憲一先生にご指導いただいたり、群馬の深澤久先生と出会わせていただいたりして、「努力の仕方」を学ぶことができました。しかし、3年目頃の教師全員が、そのようなメンターとの関わりを持てるわけではありません。ですから、本書にはその「努力の仕方」についても詳しくまとめてあります。私が実際に3年目頃に取り組んでいたことなので、きっと参考になると思います。

―新卒3年目というのは、岐路であるということを自覚せねばならない一方で、仕事も覚え楽しい時期でもありますね。そんな時期だからこそ、気を付けたいことはなんでしょうか。

 「井の中の蛙」にならないということです。少しうまくいくことが増えてきて、「あれ、自分ってかなりセンスあるのかな」などと過信してしまうと成長が止まります。研究会やセミナーに参加したり、書籍を読み漁ったりして、全国の素晴らしい先生方の実践や授業に触れてみてください。それがきっと大きな飛躍のきっかけになります。

―土居先生を見ていてすごいなぁと思うのは、学級が安定しているのはもちろん、書籍や雑誌等で執筆もされお忙しいにもかかわらず、たしかな実践を積まれていることです。よい実践にするためのポイントはありますか。

 私も毎日必死です(笑)。「毎日必死に過ごすこと」だけではお答えにならないでしょうから(笑)、自分の経験を振り返ってみたいと思います。
 私が、これはよい実践ができたかなというときを振り返ると、事前にしっかり理論を学んだり、教材研究をしたりしていたことに加え、実践を始めてからも子どもの様子をよく見て軌道修正したり、大幅に変更したりするなど試行錯誤していったときだったと思います。事前準備ももちろん大切ですが、子どもをよく見ることが欠かせないと思います。

―なるほど…! やはり、子どもをよく見る、というのが肝なんですね。とはいえ、現在は休校が続き、なかなか子どもたちに会うことすらかなわない先生も多くいらっしゃるかと思います。読者の先生方に向けてメッセージをいただけますか。

 本書をお読みいただき、「自分を高めていこう!」とか「授業を頑張ろう!」と思っていただければ幸いです。もちろん私も発展途上ですので、先生方に負けないくらいの気持ちで一生懸命取り組んでいきたいと思っています。コロナ禍により、本書で高めたモチベーションをなかなか実現するのが難しい状況が続いておりますが、必ず日常は戻ってくると信じて、今はそれぞれが置かれた場で、子どもたちのためにできることをやっていきましょう。先生方も体調を崩されないよう、くれぐれもご自愛ください。ありがとうございました。

(構成:林)

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