- はじめに―あなたは「抜き打ち」で50問テストを行えますか?
- 第1章 子どもが「抜き打ち」テストで100点を取れるクラスにする漢字指導とは
- 漢字指導を「文字指導」レベルに留めるな
- ―あなたのクラスの子どもが「抜き打ち」テストで点を取れないカラクリ
- 漢字指導は「忘れ」との戦いである
- ―チェック量の少なさを乗り越えよ
- 漢字指導で育てたい力とは@ 国語科的観点から「漢字習得のステップ」を考える
- 漢字指導で育てたい力とはA 教育的観点から漢字指導で育つ力を考える
- なぜ、今「漢字指導」なのか@ 毎日宿題に出されているのに定着していない
- なぜ、今「漢字指導」なのかA 国語科で最も達成感を得やすい事項である
- 本当の漢字の力の計り方@ 「抜き打ち」でなければ意味がない
- 本当の漢字の力の計り方A 丁寧でない字はバツにする
- 画一的な指導は即刻廃止せよ
- ―「漢字ノート」を全漢字分作成させる=習得させた、ではない
- 漢字指導において大切なことは、「勉強の仕方」を教えることである
- 漢字が苦手な子だけでなく、得意な子にも「苦労」させよ
- 文化庁「常用漢字の字体・字形に関する指針」をどう捉えるか
- 「習っていない漢字は使いません」は即刻辞めるべし
- 新学習指導要領への対応の提案
- ―「漢字配当表」の捉え方と「語彙指導」について
- 学年末にどれだけ書けるかで勝負する
- 第2章 これで定着! クラス全員が必ず書けるようになる漢字指導システム
- 図解で分かる!年間漢字学習システム
- 漢字ドリル指導システム編
- ドリルにしっかり取り組ませれば必ず書けるようになる
- 漢字ドリルシステム@ 漢字ドリルの進め方
- 漢字ドリルシステムA チェックは厳しく
- 漢字ドリルシステムB 自分のペースで進めさせる&やらない子への手立て
- 漢字ドリルシステムC ノートに強制的に練習させない
- 漢字ドリルシステムD 書き順を徹底させる
- 漢字ドリルシステムE 早くドリルを終えた子への課題
- 漢字ドリル音読システム編
- 漢字ドリル音読システムで「読み」を完璧にする
- 漢字ドリル音読システム@ 自主学習したい雰囲気をつくる
- 漢字ドリル音読システムA 必ずタイムを記録させる
- 漢字ドリル音読システムB 授業のルーティンとして取り入れる
- 漢字チェックシステム編
- 繰り返しの想起で定着を図る
- 漢字チェックシステム@ セルフチェック
- 漢字チェックシステムA ペアチェック
- 漢字チェックシステムB 全員一斉空書きチェック
- 漢字チェックシステムで自立を目指す
- 漢字ノート練習システム編
- 図解で分かる!漢字ノート練習システム
- 「漢字練習」と「漢字活用練習」を分けることで全員画一的な宿題を廃す
- 実物ノートで見る「漢字練習」のやり方
- 実物ノートで見る「漢字活用練習」のやり方と効果
- フローチャートを示し、「やるべきこと」を明確に示す
- 個別指導編
- 根気強く、教師が絶対に諦めない
- 個別指導@ 「音読の徹底」から迫る
- 個別指導A 「学習の仕方の徹底」から迫る
- 個別指導の秘訣とは
- 第3章 楽しく取り組む!漢字学習活動アイデア&効果抜群!漢字微細指導技術
- 漢字学習活動編
- 「漢字学習活動」でクラスの「漢字熱」を高める
- アイデア@ 漢字サバイバル
- アイデアA テスト漢字だらけ
- アイデアB テスト熟語だらけ
- アイデアC 漢字難問探し
- アイデアD 漢字対決
- アイデアE 熟語対決
- 漢字微細指導技術編
- 普段の「ちょっとした」指導がクラスの「漢字熱」を高める
- 漢字微細指導技術@ 習っていない漢字もどんどん板書する
- 漢字微細指導技術A いきなり漢字読みテスト
- 漢字微細指導技術B いきなり漢字空書きテスト
- 漢字微細指導技術C いきなりパーツテスト
- 漢字微細指導技術D いきなり漢字ミニテスト
- 漢字微細指導技術E 送り仮名指導
- 漢字微細指導技術F 効率的なテストの〇付け方法
- COLUMN
- 成功のためのアドバイス@ まずは、点数よりも具体的姿を目指そう
- 成功のためのアドバイスA どうしても方法が合わない子もいる
- 成功のためのアドバイスB ゴールは、100点でも熟語書き込み400個でもない
- 成功のためのアドバイスC 漢字を授業時間のいつ教えるのか
- 「学年漢字一覧テスト」で漢字が極端に苦手な子にも主体的に学ばせる!
- 漢字指導で尊敬される?
- 「抜き打ち」は無力化する
- おわりに―漢字指導でクラスをつくれる!
- 参考文献一覧
はじめに
あなたは「抜き打ち」で50問テストを行えますか?
大変ありがたいことに、国語科指導法について講座をさせていただく機会が増えてきました。
先生方のニーズにお応えしたい、との思いから、私がお話できる内容を領域ごとにまとめて、どの領域を聞きたいかその場でアンケートを取って、お話しする領域をその場で決めたことがあります。
そのとき挙げた領域は、「音読」「漢字」「書くこと」「文学」「説明文」の五つでした。
予想としては、「文学」か「説明文」に票が集まるのではないかと考えていました。「読むこと」の授業はより難しく、先生方のニーズがあるのではないかと考えたからです。
ところが、アンケートでは、「漢字」がダントツの1位でした。
このとき、私は、多くの先生方が漢字指導で困っていることを痛感しました。
私もほんの数年前まで本当に困っていました。
毎日宿題に出して、授業でも指導しているけれど、イマイチ子どもたちは「やらされている」感じで、力もついているのか分からない……といった具合でした。きっと、多くの先生方が同じような気持ちなのでしょう。
講座で、先生方にお聞きする質問があります。それは、
「50問漢字テストを『抜き打ち』でやれますか」
ということです。今まで講座などで何度となく質問してきましたが、自信をもって手を挙げられる方はゼロでした。結果が恐ろしくて到底できっこない─私もほんの数年前まで同じでした。
今、私のクラスでは、50問テストを「抜き打ち」(予告なし・初見問題)で行い、当たり前のように満点を取る子が続出し、平均も95点を超えています。
そのような指導システム、漢字指導に対する考え方などを余すことなくご紹介するのが本書です。
第1章は、「漢字指導への考え方」です。理論も交えながら、どのような考え方で漢字指導に向き合っていけばよいかを、現場からの目線で、できるだけ平易な言葉で書きました。
第2章は、「漢字指導システム」です。具体的にどのように指導していくのか、スキ ルの進め方、漢字練習のさせ方などをご紹介します。
第3章は、「漢字学習活動&指導技術」です。クラスの「漢字熱」を高めるための学習活動や指導技術を具体的にご紹介します。
どこからお読みいただいても結構です(おススメは、まず第2章を読んで実際にお試しいただくことです)。
本書を読めば、あなたの漢字指導が変わること、そして子どもが変わること、間違いなしです。
/土居 正博
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