- 著者インタビュー
- 国語
塩谷:新学習指導要領国語において、小学校では日常生活、中学校では社会生活という言葉が使われています。また、知識及び技能では、「学んだことを理解し、使うこと」という表現が繰り返し出てきます。
子供の学びを教科書の教材文や本文から日常生活へ広げたい、日常生活で使わせたいと思ったとき、多くの活動が考えられます。それらの中で読書活動は、どの学校でもどの分野でも可能なことが一番の魅力です。つまり、隙間時間でも、そして誰でも、学校内で読書活動ができる環境がどの学校にも整っているということです。
山本:「アイデア11 偉人の存在を知る」では、伝記を選ぶ手がかりとして、偉人たちの「名言」に注目しました。名言を生んだ偉人の体験に、興味をもつ子がたくさんいました。名言と体験がつながると、読みたい伝記を迷わずに選ぶことができました。
「アイデア24 挿絵を比べる」では、絵本の挿絵を大きく丁寧に見せました。挿絵を目にすると、子供の想像力が全開となります。初めて見る挿絵に驚き、疑問や共感の声が飛び交いました。
小谷田:国語以外の教科等の教科書を丁寧に見ていくと、実は関係ある本が図書館にはたくさんあります。理科の昆虫(3年)、体のつくり(4年、5年)、社会の昔のくらし(3年)、農業(5年)、歴史(6年)などの単元は、本の数もたくさんあります。
単元のねらいに到達するために、読書活動を取り入れた方がよいと判断した場合、単元計画を立てるときに、単元のどこで読書活動を設定するのかを考えます。授業で使った後は、学年、単元、使った本をリスト化しておくと、次年度以降の参考になります。
小谷田:全校の子供に、「読書は楽しい」「本は役に立つ」と思って欲しいと考えました。そのために、まず図書館に足を運びやすい工夫をしています。そして、子供が本を読むだけではなく、アウトプットする場をセットで設けるように心がけています。読んだ後に、内容を友達に伝える活動を入れることで、自分の読みを整理でき、相手からも評価されることで、より本への興味をもち、読書への意欲が増すようになりました。
塩谷:本書は、授業に読書活動を組み込みたいときに、単元のはじめ、単元の終わり、特別活動、モジュールの時間の4つの場面からアイデアを探し出せるようにしました。
例えば、単元はじめならば動機付けを、単元終わりならば発展を視野に入れ、読書活動を通してねらいへと到達するように、授業をつくることができます。
活動はいくつもあり、教師は常にねらいに対して適切な活動を選んでいます。その一つに、読書活動があります。50のアイデアは、子供の読みたい、知りたいという気持ちを、隙間時間に取り入れられるものばかりです。ぜひ、取り組んでみてください。