著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
限りある時間をうまく配分して、教師人生を楽しもう!
東京都公立小学校主任教諭庄子寛之
2018/8/31 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
今回は庄子寛之先生に、新刊『学級担任のための残業ゼロの仕事のルール』について伺いました。

庄子 寛之しょうじ ひろゆき

東京都公立学校主任教諭。元女子ラクロス21歳以下日本代表監督。学研道徳教科書作成委員。みずほフィナンシャルグループ金融教育プロジェクトメンバー。文部科学省がん教育教材作成ワーキンググループ委員。東京学芸大学大学院学校心理専攻臨床心理コース修士免許取得中。教員以外にも様々な取り組みを行っている中、その時短術の一部を紹介。

―本書のタイトルは『教師のための残業ゼロの仕事のルール』です。庄子先生は、学級担任であることはもちろん、大学院に通っていたり、教科書の編集委員をされていたりと本当に多忙だと思いますが、それでもほとんど残業をされていないのは、なぜでしょうか。

 他にやりたいことがあるから、残業できないだけかもしれません。しかし、そうやって自分を追い込むことで、時間の上手な使い方ができるようになってきたと思います。時間は有限です。勤務時間は、約8時間。その時間の中で自分がやらなければいけない仕事はこれだけある。そこまで分かれば、あとはどういう時間配分でやるかどうかです。

―本書では、様々な時短の方法が掲載されていますが、時短を意識することで、特にどのようなメリットがあると感じていらっしゃいますか。

 一番は、自分のやりたいことに一番時間を使うことができるということです。教員でない方と話すことで、視野が広がってきたと自負しています。教師の仕事に追われているだけでは、本当の意味でのよい教育はできないと思っています。やりたくはないけれども、やらなければいけない仕事は効率よく終わらせて、様々な人に会い、様々な学びを得たいと思っています。

―本書で取り上げた様々なルールの中には、「職員のためにやれることを探す」といった、一見、時短とは逆の発想のものも多いです。これらは、時短とどのようにつながっていくのでしょうか。

 自分だけが効率よく仕事をして、周りの先生が苦労しているのは、本当の意味での時短ではないと考えています。自分が早く帰る分、知らずと他の先生がしてくれていることはたくさんあります。他の先生のためにお茶を入れる、元気のない先生に声をかける、学年分のプリントを印刷しておくなど、自分が時間があるときに、人のために時間を使うことこそ、本当の時短だと考えています。

―ところで、本書の中でも、何度か「残業=悪というわけではなく…」というお話がありました。庄子先生の仕事に対する考え方を教えていただけますか。

 現在「働き方改革」が進行しています。その中で気になる言葉が「ワークライフバランス」です。仕事とそれ以外は、本当に別のものなのでしょうか?仕事は大変なもので、それ以外は休みなのでしょうか?私の働き方は「ワークアズライフ」です。仕事はあくまでも生活の一部です。だから家でも教材研究をしますし、仕事中も子どもたちと本気で楽しみます。仕事と生活はともに楽しいものでありたいと思っています。

―最後に、うまく時間を使って、仕事もプライベートも充実させていこう!という読者の方にメッセージをお願いします。

 これからは、変化の激しい時代だと言われています。教育もその例外ではありません。ICTがどんどん普及し、指導の仕方も大きく変わるかもしれません。職員室でしか教師としての仕事を学んでいないとしたら、それは全て変わるかもしれません。ぜひ本書を参考にしていただき、まずは気持ちを変えていきましょう。その後、具体的な方法を変えていきましょう。仕事が楽しいと思える先生が増えてくれたらうれしいなと思っています。

(構成:茅野)
コメントの受付は終了しました。