著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
移行期に取り組みたい!深い学びを実現する小学校国語科の授業づくり
早稲田大学教職大学院客員教授遠藤 真司
2018/5/17 掲載

遠藤 真司えんどう しんじ

早稲田大学教職大学院客員教授、開智国際大学准教授。東京都小学校国語教育研究会顧問。

―書名にもある「主体的・対話的で深い学び」は、新学習指導要領において、実現を目指す新たな学びのスタイルとして位置づけられました。まずは、本書の趣旨について、簡単にご紹介ください。

 「主体的・対話的で深い学び」は今回の学習指導要領で新しく出てきた言葉です。多くの先生たちは、これからどんな授業をやっていかなければいけないのかと不安になっています。そこでこの学びが出てきた背景を説明し、具体的にどのような実践を行ったらいいのかというモデル授業を紹介したいと思ったからです。

―「本書の第2章では、深い学びを実現するための7つの「授業づくりの技」が紹介されています。これらの「技」は、授業改善においてどのような場面で役立てられるでしょうか。

 ここに紹介した7つの技は、特に学習指導要領が新しくなるからと言って必要な技術ではなく、教師として身につけておかなければならない基礎基本の授業技術です。この本を読む先生たちが、これをきっかけに自分の指導技術を見直し、十分ではなかった点を改めたり、新たに知って自分の指導に取り入れたりすることを願いました。

―3章では各学年の代表教材の実践事例と、それぞれに「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」を生み出すポイントが分かりやすく掲載されています。こちらはどのように活用できるでしょうか。

 実際の教材をもとに行った実践例を読むと、これからの授業づくりを具体的に思い描くことができます。また「主体的・対話的で深い学び」の授業は、この流れをすべての時間で行わなければならないというものではなく、特にこの時間にはここに重点を置くという授業も出てくるはずです。教材ごとに柔軟に考える目安となります。

―新学習指導要領への移行期間がスタートしました。「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改善に向けて、現場の先生方は、まずどういったことから進めていくとよいでしょうか。

 まずは教材研究を十分に行うことです。その上で、この授業で子どもたちが主体的に課題に取り組むにはどのような構成にするか、話し合い活動の中身をどうするか、それらを経て、どのような読みになれば読みが深まったと言えるのか、先生たちが考えを出し合って授業計画をつくることです。

―最後に読者の先生方へのメッセージをお願いします。

 決して必要以上に心配することはありません。これまで行ってきた授業でも、いい授業がたくさんあるはずです。それらの財産を生かしながら、この本で紹介されていることを参考にしていくと、新学習指導要領に対応する授業が必ずできるはずです。先生たちのよりよい授業づくりを応援します。

(構成:木山)
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