著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子どもを愛せば、ゴールはハッピー!
兵庫県公立小学校教諭俵原 正仁
2016/1/29 掲載
今回は俵原正仁先生に、新刊『博愛―ホワイト学級づくり 正攻法で理想に向かう!クラス担任術』について伺いました。

俵原 正仁たわらはら まさひと

1963年、兵庫県生まれ。
通称“たわせん”と呼ばれている。
兵庫教育大学を卒業後、兵庫県の公立小学校教諭として勤務。

「笑顔の教師が笑顔の子どもを育てる」という『笑育』なるコンセプトによるユニークな実践は、朝日新聞、朝日放送「おはよう朝日です」などマスコミにも取り上げられた。教育雑誌に執筆多数。教材・授業開発研究所「笑育部会」代表。

―ホワイト−白といえば、潔癖、平和、博愛…なんだか素敵なイメージばかり。先生はそんな清く正しく美しい先生なのでしょうか?

 どうでしょう(笑)人は誰でもダークサイドとライトサイドを持っています。私もそうです。だって、にんげんだもの♪
ただ、そんなこと言いながらも、

小学校の教師なら子どもたちの前では清く正しく美しい先生を演じないといけません。

私のようにインドの山奥で修業をしたことがない人は、最初は演じるという意識でいいと思います。

―「インドの山奥で修業をした」というようなウソを恥ずかしげもなくスッと出るようになれば、清く正しく美しい先生を演じるようになれるわけですね。でも、やはり『演じる』という言葉には抵抗があるのですが…。

 以前、5年生まで相当やんちゃをしていた子を6年生で担任したことがありました。まぁ、4月5月はいろいろとあったのですが、2学期ぐらいにはイベント係主催の女装コンテストに出て優勝するぐらい楽しい方向(笑)にその子は変わっていったのですが、その子が卒業間際に「たわせん、俺、中学校の間はいい子ちゃんのふりしといたるわ。」と言ったんです。まぁ、照れ隠しの面もあるのですが、彼はその言葉通り中学校にいる間は「いい子ちゃん」を演じたわけです。そして、きちんと高校に進学しました。

演じているうちにそれは本物になるのです。

―最初の一歩は演じることから始めるということですね。ところで、先生は「優しい教師であること」「面白い授業をすること」「どの子の力も伸ばすこと」を大切にされてきていますが、そのうち特に難しいと感じられることはどれですか?

 どれもリンクしているので、1つに絞るということは難しいのですが、どの項目にしても、子どもたちのことを本当に好きかどうかで、難しさは変わってきます。

子どものことを好きならば、どれも特に難しくありません

…というか…難しいと感じずに、楽しく取り組めるはずです。
「なぜ、小学校教師になったんですか?」と聞かれたら多くの人は、「子どものことを好きだから。」と答えると思うんです。その気持ちを忘れなければ大丈夫です。

―子どもが好きだから教師になる、でも、初心ってすぐに忘れてしまいますよね。そんな思いを忘れない教師でいるコツがありましたらどうぞ教えてください。

「子どもが好きだから」という思いで教師になっても、実際、クラスの中にはいろいろな子どもたちがいます。いざ教師になってみたら、「こんなはずではなかった。」と思っている人もいるかもしれません。でも、たとえ、そうであっても、

何が何でもクラスの子どもたち全員を好きになろう!

と意識することが大切です。子どものことを好きになる大切さ、可愛く見える方法などは、実際にこの本を手に取ってみてください。

―最後に、全国の誠実でまじめで正しいクラスづくりを目指される先生方にメッセージをお願いします。

 小学校の低学年は、サンタさんの存在を本気で信じています。このような真っ白な心を持っている子どもたちには、大人の世界ではきれいごとに聞こえるような理想的な言葉もスッと入っていきます。照れずに理想の世界をめざして、誠実で真面目な姿を演じている先生も、演じる必要がない誠実で真面目な先生も、共にがんばっていきましょう。

GOALはHappyendに決まっています。

(構成:佐藤)

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