著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
協同的な学びを軸とした算数授業を実現するために
横浜国立大学教授石田 淳一
2014/7/11 掲載
 今回は石田淳一先生に、新刊『聴く・考える・つなぐ力を育てる!「学び合い」の質を高める算数授業』について伺いました。

石田淳一いしだ じゅんいち

小田原市生まれ、京都大学教育学部卒、筑波大学大学院教育研究科修了、同教育学研究科退学後、愛知教育大学助教授、筑波大学講師を経て、現在横浜国立大学教育人間科学部教授。学術博士。

―本書は『子どももクラスも変わる!「学び合い」のある算数授業』の続編になりますが、前作との違いをご紹介ください。

 前作は学び合いのある算数授業づくりの入門編として執筆しました。本書は、前作の続編として、8つの教師の働きかけ、子どもの10のつなぎ方、子どもの5つの聴き方に焦点をあて、学び合いの質を高めるための手立てをまとめました。

―書名に、「『学び合い』の質を高める」とありますが、質の高い学び合いの授業とはどのような授業でしょうか?

 教師の適切な働きかけのもとで、子どもどうしが発言をつなげながら個人や集団の考えを広げたり深めたりする学び合いのある授業です。そこには、前向きな雰囲気と子どもたちどうしのあたたかいかかわりがあり、学びの発見や集団の成長が見られます。

―本書では学び合いの質を高める教師の働きかけと子どもの聴き方・つなぎ方などが紹介されています。これらを授業の中で実践していくポイントを教えてください。

 本書にある授業実践に子どもの聴き方、つなぎ方、教師の働きかけの注釈が記されています。まず、8つの働きかけ、10のつなぎ方、5つの聴き方を理解し、授業のねらいを達成するために子どもの状況からどんな働きかけが必要かを日々の授業の際に描くといいです。また、子どもの発言の後に間をとって、今の発言につなげられないかを考えさせたり、よいつなぎ方が見られたら聴き方とつなげて評価したりするといいです。

―本書には実践事例が多数紹介されていますが、本書をどのように活用してほしいと思いますか?

 実践事例には、教師の働きかけ・言葉かけや子どものつなぎ方が具体的に注釈として記されています。どんな場面で教師がどんな働きかけをし、子どもがどんなつなぎ方をしているかわかりやすく書いています。まず、授業実践を読んで子どもの聴き方と教師の働きかけがうまくかみ合うことで子どもがつなぎながら学び合う授業を実現していることをつかんでください。適切な働きかけが、子どもの姿として表れます。場面や状況によってどのような働きかけが有効かをつかむヒントにしてほしいと思います。

―最後に全国で算数を教える先生方にメッセージをお願いします。

 学び合いの授業づくりのためには、教師も子どもも意識改革する必要があります。子どもは学び合う授業のイメージをもっていません。教師も必ずしもそのイメージをもっていません。学び合いを支えるのは協同的な学びを軸とする算数授業づくりです。問題解決のとらえ方を変えて、みんなで問題を解いて新しいことを学び、その学びを自ら確かめるような授業展開への転換も学び合いの質を高める授業には必要です。子どもたちが、みんなで学ぶ楽しさを実感できる、やさしくあたたかい算数授業を行ってください。

(構成:木山)
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