自分なりに成功の定義を簡単に述べると「楽しかった」「ためになった」と生徒も教師も実感できることだと思っています。そのために特に大切にしていることは「現状に満足しない、常に改善できないか」を考えることです。
もちろん、一度にすべての授業の改善はできません。「今日の授業は面白くなかったな。私も生徒も気分が重かったな」と思ったとき、その時間を繰り返さないために講義や実験観察の形や評価の仕方、「もの」の準備で改善し、それを積み重ねてきました。また、改善のための新しい策を実施するときのワクワク感、これがいいんです。
理科室をきれいにするということから始めることです。整理整頓して何がどこにあるのかわかるようにする。よく使う道具は理科準備室に置くのではなく理科室に置いて、生徒たちが道具をすぐにみつけられるようにする。
理科室がきれいならば、理科準備室、薬品庫、そこもきれいなら、理科関係の掲示板を整えることです。まずは、生徒も教師も理科学習をしたくなるような環境を整えることです。そうすれば、空間もできて自作した教材や購入した生徒の関心を高めるための「もの」も置けるようになります。理科教師は理科室をきれいにしなければ、授業も良くなりません。
アイデアが浮かんだら集中して考えます。学校の空き時間や放課後、休日に自宅で作成したりします。
自作教材には教師が授業で使うものと生徒が作って使うものの2種類があります。教師用は既存のものを改良して作ることが多いのですが、「飽和くん」などの生徒用教材を作るときは、直筆で大雑把な展開図を書いて試作を繰り返しながら簡単に作れるように仕上げていきます。また、立体でもノートに挟んで折りたためることをポイントにしています。ですから、飛び出す絵本などの技法はずいぶん学びました。
中学校の理科授業では、原子力を学ぶ上で放射線の性質と利用にも触れるということが指導要領に書かれています。放射線の性質や影響などを講義し、できれば、放射線量測定器を使って、「放射性物質からの距離・間に遮蔽物を置く・接する時間」の3つの観点で実験を行い、科学的知識を身につけることを第一にすればよいと思います。霧箱で放射線を見るというのも面白いです。
理科の授業は実験観察があって、準備が大変です。そして、部活動や学級経営、校務優先で理科の充実にまで手が回らないという先生方もいらっしゃることでしょう。
しかし、せっかく理科教師になったのですから、理科教師ならではの充実感を味わってみませんか。実験の時間でなくても充実した授業はできます。本書はその一助になると信じています。現在、理科を教えている先生方、これから理科を教えようという先生方のみなさんに、この本を使っていただければ幸いです。
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- 甲東現在一年生徒
- 2014/7/27 0:11:06
先生はいつもおもしろい -
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- 甲東一年生徒
- 2014/11/15 17:35:54
なんかほかの先生はふつーにただただ教えてるって感じだけど原口先生は違って楽しみながら出来るから素晴らしい(笑)