著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教員への夢実現に全力で応援します!
帝京大学教職センター長 教育学部教授和田 孝
2014/5/19 掲載
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  • 教職課程・教員研修
 今回は著者を代表して、和田孝先生に、新刊『めざせ!中学校・高校教員 教員採用試験突破ガイド』について伺いました。

和田 孝わだ たかし

東京教育大学卒業。東京都公立中学校教諭、指導主事・指導室長・主任管理主事、公立中学校長を経て、現在、帝京大学教職センター長、教育学部教授(教育文化学科長)。
全学の教員体制で「中・高教員養成強化プロジェクト『中高本気塾』」に取り組んでいる。著書(編著)に、『教職の探究』(学校図書、2014)、教員採用試験αシリーズ『志望書・自己推薦書・面接調査票』(一ツ橋書店、2013)、『初任者研修実務必携』(第一法規)など。

―和田先生がご所属されている帝京大学の教職センターには、年間延べ約4000人、月平均約300人の学生が相談や指導を受けるために訪れているようですね。学生たちの中で最も多い質問は何でしょうか? それに対する答えとともに教えて頂けますか?

 教職センターには、多くの学生が自己アピールや論作文の書き方について実践的な指導を受けに来ていますが、1・2年生については教員採用試験に向け、何をいつから始めたらよいのかという質問が多くあります。受験地区やこれまでの取り組みの状況も異なるので、個々の学生に応じた計画的準備をアドバイスしています。本書でもタイプ別のスケジュール表を掲載しています。それぞれに応じて参考にしてください。

―平成24年度の教員採用試験の競争率は、小学校が4.4倍なのに対して、中学校は7.7倍、高校は7.3倍とずいぶん狭き門なのですね。中学校・高校教員をめざす人に、特に身に付けてほしいことは何でしょうか。

 まずは教科指導のプロとしての専門性です。教科の指導内容も学習指導要領の改訂や社会の状況によって変わりますので、確かな知識・理解が必要です。また、教科の内容をいかに分かりやすく、興味・関心を高めるように指導するかが求められます。そのためには、大学において専門分野に関する研究を深めることや、日常生活の中で教科と関連する事柄に関心を深め、幅広い専門教養を身に付けることが大切です。

―本書は、自力で教員採用試験を勉強しようという人も意識した対策本になっていますね。本書の特色と活用方法をぜひ教えてください。

 短時間で無理なく大切なことが分かるように工夫しました。まず見開きで1項目を扱っています。また、冒頭にまんがで具体的なシーンを掲載し、そこからQ&Aの方法で示しています。ページ数は少なくありませんが、通して読んでも大事なことが簡潔に理解できるようにレイアウトされています。目次を見て、自分の知りたいところをまず読むという方法でも、見開きで読み切りなので役に立ちます。

―本ホームページは、学生だけでなく現在教壇に立っている先生方も多くご覧になっています。講師から正規教員をめざしている人に向けて、何かアドバイスがありましたらぜひ、お願いします。

 学校現場で日々生徒と真剣勝負をしながら、教員採用試験の勉強をするのは大変なことだと思いますが、どちらも教員の大切な学びと考え、頑張ってください。講師としての学校での実践から気付いたこと、喜びや課題などを200字程度の文章にしてはいかがでしょうか。書くことは、論作文に生かせることはもちろんですが、面接での説得力ある回答にもつながります。ただし、守秘義務を守ることは、留意してください。

―最後に、教員をめざしている読者の方々へ向け、メッセージをお願いします。

 中学生・高校生は、授業や運動、学校行事などを生徒と一緒に取り組んだり、真剣に向き合ったりしてくれる熱意と行動力のある先生を待っています。教員採用試験の勉強は、苦しく厳しいですが、試験突破の先にある、生徒と共に笑顔でいる教員の自分をイメージし、目標として、全力を尽くしてください。本書は、皆さんを応援し、採用試験合格に少しでも役立ちたいと考え、心を込めて作りました。健闘を祈ります。

(構成:木村)
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