著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
心に響く道徳指導ですてきなきらめき体験の実現を
江東区立第一亀戸小学校教諭服部 志信
2010/5/14 掲載
 今回は服部志信先生に、新刊『小学校道徳 きらめき自作資料&授業プラン16』について伺いました。

服部 志信はっとり しのぶ

江東区立第一亀戸小学校教諭

―書名の「きらめき」に込められた想いを教えてください。

 「きらめき」を「人が希望をもって生きていく、その存在自体が美しく輝く様子」ととらえました。
 私たち大人や教師が子どもたちに、「あなたがそこに存在すること自体が尊い。世の中には素晴らしいことがたくさんある。希望を捨てなければ、きっとすてきな未来になれる。」と伝え続けていきたいとの想いを込めました。

―本書で紹介されているオリジナル資料は、どのような観点でつくられていますか?

 学習指導要領の道徳の4つの視点(自分自身に関すること、他の人とのかかわりに関すること、自然や崇高なものとのかかわりに関すること、集団や社会とのかかわりに関すること)にそって、低・中・高学年あわせて16の資料が掲載されています。
 登場人物を自分たちの生活に置き換えるとどの学校・教室にも考えられる内容で、すぐ授業に使えるようにしました。
 どの資料も、読んで生きることへの希望が湧いてくる内容です。

―本書の自作資料が子どもたちの心にしっかりと届くためには、どのように活用するとよいでしょうか?

 資料ごとに、すぐ授業に生かせるペープサートや場面絵、ワークシート、パネルシアターや効果的な小道具等が紹介されています。それらを学校や子どもたちの実態に合わせ、工夫を加えながらご活用いただきたいと思います。

―本書には道徳的価値に近づけるための発問で構成された指導案も紹介されています。先生が発問を考える際はどのようなことを意識されていますか。

 拙作「自分にできることから始めよう 植林の旅・中国へ」の授業で、中心発問を「昭一さんは、どんなことを願って植林をしたと思いますか」としました。「植林をしているときの気持ち」を問うだけでなく、ねらいとする自然愛・動植物愛護の心情を育てるために必要だと考えたからです。そのことから「植林できてよかった」だけでなく、やりがいや継続への意欲、地球規模での助け合いに気づかせることができました。
 発問を考える際は、価値に近づけるための中心発問を考え、そこに至る橋渡しの発問を大事にしながら授業を組み立てるようにしています。

―最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

 子どもたちの「心に響く道徳授業」をしたいと、日々努力を続けていらっしゃる先生方、「きらめき自作資料&授業プラン16」で、すてきなきらめき体験を実現していただきたいと思います。道徳授業で子どもたちが見せてくれる笑顔、心に落ちたときの真剣なまなざしが、私たちの喜びです。
 これからも道徳教育に携わる一教師として、共に頑張ってまいりましょう。

(構成:湯浅)

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