- 著者インタビュー
- 特別活動
第2特集で、若い教師のエンカウンターを特集したように、学級経営に悩みながらも懸命にがんばっている若い教師に多く読まれることを期待しています。第2特集にあるような等身大の実践から、学ぶべきことはたくさんあるでしょう。
掲載されたエンカウンターの流れとシートとを参考にし、アレンジして使えるテキストを目指しています。そのため、実践する際の配慮点やバリエーションについてもできるだけ記載するようにしています。
また、児童生徒に身につけてほしいスキルにも着目し、エンカウンターを体験しながらのスキル習得や日常場面への応用、他の活動との関連についても取り上げているものが多くなっています。
今後も、この傾向は強まるものと考えています。2年間、第6号までは、現代の教育課題をとらえて、企画編集していきたいと考えています。
教育の最前線で課題となっている様々なことを、エンカウンターの実施で解決の方向へ歩み出していけると考えています。
少年犯罪の増加やいじめの発生、今までの経験則や体験の中からはとうてい考えることができないような児童生徒の行動や心のありよう。今、自他の命の大切さを実感的に学ぶことや自他の命を守るすべを身につけていくことは、タイムリーなもの、課題解決への重要な提案であると考えています。
本書では、『「生命尊重」の心を育てる』の範囲として、次のように考えています。
・命の重さ、大切さを学ぶこと
・衝動的な行動を抑制すること
・被害防止を教える
・安全・安心な学校づくり
・居場所づくり
・不審者侵入などに備えた避難訓練で使える
・いじめ防止の取組
・人権教育、環境教育(生命尊重の関連で)
・明確な意志を伝えるコミュニケーション
・人間関係のトラブルを回避したり解消する
・「生命誕生」などの性に関する指導
このことから、道徳や学活、行事等で有効活用できるものとなったと思っています。
「大胆かつ細心」に。
よし、これだ!と思ったら、大胆に実践してほしい。ああだろうか、こうだろうかとやる前から必要以上に不安になったり、臆病になったりしていたら面白くない。楽しくない。目の前の子どもとともに楽しむ気持ちでGo!
事後のケアはきめ細かく。活動中の様子を丹念に観察するとともに、振り返り用紙を丹念に読み、子どもの心のありようや行動への表れに丁寧に対応してほしい。また、エンカウンターの実施と通常の教育活動との関連を重視することも忘れないでほしい。
そして、何回か実施したら、記録をとり、ぜひ、学校内外で実践発表、研究発表にチャレンジしてほしい。