
- 支援のあるクラスづくり
- 特別支援教育
今回は来年度の「支援のあるクラスづくり」についてけんた先生が相談にいらっしゃいました。
けんた先生
今年度、特別支援教育に関するいろいろな対応を教えていただきました。4月からまた新しいクラスの担任になりますので、ここでもう一度、特別支援教育の視点をもった学級経営や子どもの対応のポイントを教えてください。
裕子先生からのアドバイス
全国の児童生徒数は、全体として毎年減少していますが、特別支援教育を要する子の数は、反対に増加しています。特に通級による指導を希望する児童生徒数は右肩上がりとなっています。また、現在は専門的な支援は受けていないが、何らかの支援が必要と思われるケースも非常に多くなっています。
つまり、これからは、どの教育の場においても特別支援教育の視点をもった指導が必要になってきます。「特別支援教育」というと、何か特別な知識や技術が必要かと思いますが、そんなに構えることはありません。新しい年度のスタートを前にして、ちょっと意識していただければ、多くの子どもたちが安心してスタートすることができます。
クラス全体のことを考えましょう
学級経営の基本をあげてみます。
・一人一人を大切にした学級経営
これは特別支援を必要とする子どもだけを大切にする学級経営のことではありません。えこひいきはどの子にとっても絶対嫌なことです。
・生活ルール、学習ルールを明確に、ルールに沿った学級経営
日によって、人によってルールが変わることがないようにしましょう。
・良いことはどの子もほめ、だめなことをしたらどの子も叱る
ほめ方、叱り方には、平等で、わかりやすい教師の態度が必要です。
・わかりやすい、楽しい授業
子どもが授業に集中できるように、授業形態や内容に変化をもたせていくとよいでしょう。
・視覚支援等の工夫
子どもの興味・関心を引きつけるようビジュアルな提示方法等の工夫に努めましょう。
・はっきりと短い指示・説明
指示や説明は、はっきりと短い方が子どもにはわかりやすいものです。
どれも学級経営の基本であり、当たり前のことですが、この当たり前のことを4月、5月でしっかり押さえておくことが大切です。担任がリーダーシップを発揮して、進めることができると、どの子も安心して過ごせ、落ち着いたクラスになります。
こうした一定のわかりやすいルールがある落ち着いたクラスは、特別支援を必要とする子どもたちにも過ごしやすい環境となります。
個別の支援が必要な子どもへの対応について考えましょう
クラス経営の大前提として、
愛情はすべての子どもに平等に与えられるもの
支援は一人一人のニーズに応じて与えるもの
だということを覚えてください。つまり、一人一人への具体的な支援の内容や量は異なるのです。
・一人一人のやりにくさに目を向けよう
・一人一人の好きなことや得意なことにも目を向けよう
・個別の指導計画や個別の支援計画、就学支援シートを有効に活用しよう
年度の初めには必ず目を通して、一人一人の配慮事項や指導内容を頭に入れておくことが大切です。
・注意するときには、静かな丁寧な言葉で
強い叱責は「怒られた」という気持ちだけが残り、どうしてしかられたのかは理解できないままになります。
教室で立ち歩く、大声を出す、友達に乱暴になるなどの問題行動には、必ず原因があるはずです。困った行動として悩むのはなく、この子は何がしたくてこんな行動をとっているのだろうと考えてみてください。解決の道が見えてきます。
困った子ではなく、困っている子として考えてあげると、解決策が思いつくはずです。
けんた先生
ゆうこ先生、学級経営のヒントをありがとうございました。4月・5月が勝負ですね。がんばってみます。
新学期・どの子も楽しい支援のあるクラスづくりのポイント
- 困っているのは子どもの視点を忘れない
- 子どもの視点に立って、解決策や指導の工夫を考える
- 先生自身が楽しい居心地の良いクラスだと思えることが大切
-
読めた!書けた!1年生の<教科書の漢字>学び支援!
-
「わくわく」「うきうき」が「できた!」につながるプリント集
-
どの子もできた!につながる教材のユニバーサルデザイン!