著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
特別な支援の必要な子どもに「本当」に必要な支援は何?
上越教育大学教職大学院教授西川 純
2017/9/2 掲載
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 今回は西川純先生に、新刊『特別支援学級の子どものためのキャリア教育入門 基礎基本編』について伺いました。

西川 純にしかわ じゅん

1959年東京生まれ。筑波大学生物学類卒業、同大学院(理科教育学)修了。博士(学校教育学)。臨床教科教育学会会長。上越教育大学教職大学院教授。『学び合い』(二重括弧の学び合い)を提唱。
主な著書に、『子どもを軸にしたカリキュラム・マネジメント 教科をつなぐ『学び合い』アクティブ・ラーニング』『今すぐ出来る!全校『学び合い』で実現するカリキュラム・マネジメント』『汎用的能力をつけるアクティブ・ラーニング入門<会話形式でわかる社会的能力の育て方>』『資質・能力を最大限に引き出す!『学び合い』の手引き ルーツ&考え方編』』、『資質・能力を最大限に引き出す!『学び合い』の手引き アクティブな授業づくり改革編』『アクティブ・ラーニング時代の教室ルールづくり入門』『サバイバル・アクティブ・ラーニング入門』『アクティブ・ラーニング入門』『クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門』『気になる子への言葉がけ入門』『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門』『子どもが夢中になる課題づくり入門』『簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門』『子どもによる子どものためのICT活用入門』『アクティブ・ラーニングを実現する!『学び合い』道徳授業プラン』『みんなで取り組む『学び合い』入門』(以上、明治図書)などがある。

―本書は、大好評をいただいている入門シリーズの1冊として、「特別支援学級の子どものためのキャリア教育入門」がタイトルとなっています。まず、本書のねらいについて、教えて下さい。

 多くの小学校の先生は子どもが中学生になるまでを思い描き日々の実践をされています。多くの中学校の先生は子どもが高校生になるまでを思い描き日々の実践をされています。そのため、子どもの一生涯を思い描いてはいません。それではキャリア教育は出来ません。本書では、義務教育が「本当」に特別支援学級の子どもたちの老後の幸せを決めているという重大な事実を理解して欲しいと願いました。

―西川先生というと『学び合い』、という方も多くいらっしゃると思いますが、今回は、特別支援学級の子どものリアルな就職事情とともに、学校でどのような取り組みが出来るかをまとめていただいています。その背景にある先生の想いについて、教えて下さい。

 私は『学び合い』を研究したくて『学び合い』を研究しているのではありません。私は全ての子どもが一生涯幸せであって欲しいと願い、三十年以上研究をしています。『学び合い』は現時点での、その願いの結果です。従って、『学び合い』のことを一言も触れていない本も書いています。

 本書は特別支援学級の子どもの幸せを願った本ですが、実は、それに留まりません。実は、特別支援学級ではなく通常学級の子どもこそ危機的であることを、本書の取材の中で知りました。そのことを特別支援学級の子どものデータから読み取って欲しいと願います。

―本書はサブタイトルを「義務教育でつける「生涯幸せに生きる力」」とした「基礎基本編」で、10月に「実践編 子どもの生涯の幸せを保障する保護者と担任のナビゲート」の発刊が予定されている2冊構成になっていますが、それぞれどのような内容でしょうか。読み方について教えて下さい。

 基礎基本編は「義務教育でつけるべき能力とは何か?」を明らかにする本です。おそらく今までの特別支援教育の考え方とは革命的に違うと思います。一言で言えば、学校教育で先生方がご苦労して教えていることの多くは、就職してからはあまり意味がありません。逆に、なにげに教えていることで、子どもは苦労します。おそらくビックリされると思います。
 実践編は、それを獲得するには何が必要かを書きました。一言で言えば、子どもの一生涯の幸せを確実にするには、小学校の時代から、一生涯の幸せをイメージしたキャリア教育が必要なのです。

―本書は障がいのある方が就職した後に関わる様々な人、また、障害のある方の保護者からの聞き取り調査がベースになっています。その調査を受けて、先生が課題と感じられたことは何でしょうか。
―また、今回のサブタイトルにもなっている「義務教育段階」において、「生涯幸せに生きる力」をつけていくために、出来ること(取り組むべきこと)は何でしょうか。

 教師は卒業した後の子ども・保護者の声を聞くべきです。子どもたちの就職先の声を聞くべきです。みんな子どもたちの幸せを願っている。でも、教師とのギャップは大きい。その必要性を本書を通して理解して欲しいと願います。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願い致します。

 私は、数多くの学術論文を書きました。数多くの本を書きました。
 本書の基礎基本編・実践編は、一生涯で初めて泣きながら書いた本です。何故、泣きながら書いたか? それはお読みになれば分かります。

(構成:及川)
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