英語教育ユニバーサルデザイン 指導に役立つ教材・教具
「がんばっているのに英語が覚えられない…」読み書きが苦手な子どもたちの英語指導に役立つ教材・教具を紹介。 学び方を変えれば、英語はできるようになる!
英語教育ユニバーサルデザイン 指導に役立つ教材・教具(9)
聞くことの指導―英語の音韻認識3
神戸山手短期大学准教授村上 加代子
2019/2/5 掲載

今回のねらい

 前回までの「聞くことの指導」では、英語の音韻単位についての説明、そしてアプリをご紹介しました。今回は、音韻(音素)の操作を家や教室でできるアプリ以外の遊びをご紹介します。音韻認識のなかでも音素認識は、文字の読み書きに大きく影響すると考えられています。フォニックスを練習していても「読めない」「読み方がぎこちない」「書き取れない」といった問題がある場合、音韻認識の段階に問題が生じている可能性があるため、こうした「音遊び」を日頃の授業で取り入れるとよいでしょう。

どれが変わった?

対象年齢
小学高学年以上
目的
聞こえてきた単語のうち、どの音素が変わったかを聞き分ける
時間
5分程度
用意するもの
トランプカードをペアで10枚程度ずつ

【遊び方】

@ABC

1 ペアになり、トランプカードを3枚裏返しにしてならべます。残りのカードは裏返して山にして置いておきます。

2 練習をします。

教師「いまから先生が単語を言うので、カードをタッチしながら、リピートして下さい。c/a/t」
生徒「c/a/t」(カードを指さしながら)
教師「/t/のカードはどれですか?、/a/のカードはどれですか?」(生徒は音とカードが対応していることを確認する)

3 本番です。

教師「いまから先生が2回単語を続けて言います。3回目に、1つだけ音を変えます。どの音が変わったかよーく聞いて、そのカードを取って下さい。でははじめます。cat, cat, mat」

*ここで、/c/が/m/に変わったため、子どもたちが一番左端のカード(最初のカード)を取っていれば正解です。取ったカードを表に返すと、数字があるので、それがその子の“ポイント”になります。

教師「いまのは、/c/, /a/, /t/が、/m/, /a/, /t/になったね。(指さしながら)なので最初のカードが正解です。では新しいカードを、抜けたカードのところに裏返して置いて下さい。

*カードの山から1枚取って、補充します。

教師「それでは第2問。mat, mat, mag

 このように、最初は3音素で問題を出し、簡単すぎるようであれば、4音素の単語(desk, snakeなど)を使って難しくするとよいでしょう。トランプカードは、たくさん取れること=ポイントが多いという結果にはならず、少ないカードでもトランプの数字が大きければ合計点が高くなるため、勝ち負けにも偶然性が生まれます。音素への気づきを高めるのにとても楽しい活動です。中学生や大人でも楽しめます。

*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。

村上 加代子むらかみ かよこ

米国ウィスコンシン大学マジソン校卒。
神戸山手短期大学准教授。英語教育ユニバーサルデザイン研究会代表。
学習障害のある児童生徒対象の「チャレンジ教室」を主催。英語教科における特別支援やユニバーサルデザインの啓発活動に積極的に取り組んでいる。教員間の情報交換のプラットフォームづくりを目指している。

(構成:佐藤)

好評シリーズ
コメントを投稿する

※コメント内ではHTMLのタグ等は使用できません。