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今回のねらい
前回までの「聞くことの指導」では、英語の音韻単位についての説明、そしてアプリをご紹介しました。今回は、音韻(音素)の操作を家や教室でできるアプリ以外の遊びをご紹介します。音韻認識のなかでも音素認識は、文字の読み書きに大きく影響すると考えられています。フォニックスを練習していても「読めない」「読み方がぎこちない」「書き取れない」といった問題がある場合、音韻認識の段階に問題が生じている可能性があるため、こうした「音遊び」を日頃の授業で取り入れるとよいでしょう。
どれが変わった?
- 対象年齢
- 小学高学年以上
- 目的
- 聞こえてきた単語のうち、どの音素が変わったかを聞き分ける
- 時間
- 5分程度
- 用意するもの
- トランプカードをペアで10枚程度ずつ
【遊び方】
1 ペアになり、トランプカードを3枚裏返しにしてならべます。残りのカードは裏返して山にして置いておきます。
2 練習をします。
教師「いまから先生が単語を言うので、カードをタッチしながら、リピートして下さい。c/a/t」
生徒「c/a/t」(カードを指さしながら)
教師「/t/のカードはどれですか?、/a/のカードはどれですか?」(生徒は音とカードが対応していることを確認する)
3 本番です。
教師「いまから先生が2回単語を続けて言います。3回目に、1つだけ音を変えます。どの音が変わったかよーく聞いて、そのカードを取って下さい。でははじめます。cat, cat, mat」
*ここで、/c/が/m/に変わったため、子どもたちが一番左端のカード(最初のカード)を取っていれば正解です。取ったカードを表に返すと、数字があるので、それがその子の“ポイント”になります。
教師「いまのは、/c/, /a/, /t/が、/m/, /a/, /t/になったね。(指さしながら)なので最初のカードが正解です。では新しいカードを、抜けたカードのところに裏返して置いて下さい。
*カードの山から1枚取って、補充します。
教師「それでは第2問。mat, mat, mag」
このように、最初は3音素で問題を出し、簡単すぎるようであれば、4音素の単語(desk, snakeなど)を使って難しくするとよいでしょう。トランプカードは、たくさん取れること=ポイントが多いという結果にはならず、少ないカードでもトランプの数字が大きければ合計点が高くなるため、勝ち負けにも偶然性が生まれます。音素への気づきを高めるのにとても楽しい活動です。中学生や大人でも楽しめます。
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