きょういくじん会議
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中1の10.7%が鬱(うつ)―学校はどう対応するべきか
kyoikujin
2007/10/12 掲載

 9日の東京新聞に非常にショッキングな記事が掲載された。
 今年の4月から9月に行われた北海道大学の研究チームの調査で、小学4年生から中学1年生の4.2%がうつ病(そううつ病を含む)と診断され、なかでも中学1年生では10.7%という高い有病率を示したとのこと。

 うつ病に関しては調査方法や診断基準が統一されておらず、単純な比較が可能かどうかは分からないが、次のような数値がwikipediaに掲載されている。

…日本で2002年に行われた1600人の一般人口に対する面接調査によれば、時点有病率2%、生涯有病率6.5%とされている。

 つまり、一般人(=成人?)のうつ病の有病率は2%程度ということであり、今回の中学1年生10.7%という数値は極めて高いといえそうだ。
 ただし、同じwikipedia記事の中に

子供のうつ病
12歳未満の児童期は0.5から2.5%、12歳から17歳の思春期以降では、2.0から8.0%の有病率が認められる。

という記述があることも付記したい。

 今回の調査は、「医師が面接する」というやり方で行われたため、信頼度が高そうである(過去の大規模な調査では、質問紙を郵送する方法が多い)。しかしひとつ残念に思うのは、中学2年生以上の調査が行われなかったこと。たとえば、進学したての中学1年生が特にストレスが大きいのか、それとも2年生以降にさらに増大しているのかが判断できるようなものであったなら、学校現場でさらに進んだ対応が可能となったのではないだろうか。

 うつ病の子どもには、当然のことながら適切なケアが必要である。果たして、現在の小中学校にそのノウハウや時間的余裕があるのか、ということも保護者にとっては気になる点であるといえよう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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