- 著者インタビュー
- 国語
- 1年生から6年生まで、さまざまな教材での学習展開例が載っている
- 「1時間の授業」だけでなく、単元全体の学習の流れが分かるようになっている
- ICT活用だけでなく、国語の学習の進め方についても考えられる
…といったところが本書のおすすめポイントです。
まずは、自分が担当している学年の学習展開例を読むところから始めたらよいでしょう。「自分ならこうしようかな」「こんな使い方もあるのか」と、いろんな活用の仕方を考えながら読むと面白いと思います。
タブレット端末を活用することが目的にならないようにしています。子どもたちの学習がよりよいものになるために、
- 「どのように活用するのがより効果的か」
- 「どのように活用するのがより自然か」
- 「子どもたち自身がどのように活用していけるか」
…といったことを考えるようにします。
子どもたちがタブレット端末よりもホワイトボードや紙のノートを使いたいのであれば、そちらを使っていけばよいと思っています。子どもたちと共に「よりよい」を見つけていくことを大切にしています。
物語文の学習を進めるにつれて、子どもたちは「気になる言葉」や「大事にしたい言葉」をどんどん増やしていくと思います。タブレット端末を活用すると、単元の学習始めに「自分の考えを書いて終わり」にするのではなく、何度も学び直したり、考え直したりしたことを追加修正しやすくなります。
また、これまでの学習過程を自分で見つめ直しやすくなります。絶えず自分が「どう考えたか」「どう感じたか」を大事にして学習を進められるようになります。紙のノートよりも、情報を整理しやすいことが影響しているでしょう。
さらには、授業中に「何人かが挙手して発言して、それらが黒板に書かれて終わり」と、何となく授業が流れていくことにはなりません。「自分はこう考えるのだ」「こう感じているのだ」という自分の考えを学級全体で共有しやすくなるので、子どもたちは更に「自分」の考えを大切にして他者と協働して学ぶことができるでしょう。
一番大きな変化は、子どもたちがお互いの考えを簡単に見られるようになったということです。「回答共有」という機能を使うことによって、子どもたちはお互いの考えている学習内容について見ることができます。
これまでだと全体の前で発表するか、近くの人と交流した時にしかお互いの考えを知ることはできませんでした。しかし、全体でお互いの考えていることを簡単に知ることができるようになったことで、より互いの「読み」をもとにして学び合うことができるようになりました。「誰かが意見を言ってくれるだろう」と人任せにする子も減り、積極的に学習に参加できる子が増えました。
また、1人ひとり自分の考えを自由に表現できるようにすることがおすすめです。これまでだと決まったワークシートやノートに自分の考えをつらつらと書くだけだったかもしれません。しかし、ICT 機器を活用することによって、子どもたち1人ひとりが自由に試行錯誤できるようにしやすくなりました。この自由度が子どもたちの創造力を発揮させることにつながります。
ICT 機器を活用するからといって、国語学習において大事なことが大きく変わるわけではありません。ただ、活用することによって、子どもたちの学びをより受け止められたり、子どもたちがより学びやすくなったりするでしょう。その変化を楽しむことができるといいなと思います。よりよい国語学習のあり方を一緒に考えましょう。