著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「子どもの論理」に寄り添い、書く文化をクラスに育てよう
梅光学院大学准教授香月 正登
2020/4/10 掲載
今回は香月正登先生に、新刊『「子どもの論理」で創る国語の授業―書くこと―』について伺いました。

香月 正登かつき まさと

梅光学院大学子ども学部准教授。
1967年(昭和42年)福岡県生まれ。山口大学大学院修士課程修了。山口県公立小学校教諭を経て、現職。全国大学国語教育学会員、中国・国語教育探究の会副代表、「ことばの学び」をひらく会代表を務める。実践学の構築を目指し、精力的に現場での授業を続けている。

―本書は、『「子どもの論理」で創る国語の授業―読むこと―』に続くシリーズ2冊目となります。書名にもある「『子どもの論理』で創る」とは、どのような授業のことを指すのでしょうか。

 国語科の授業は、子ども主体を大事にしながらも、指導事項、言語活動、教材解釈に流れていきます。「『子どもの論理』で創る」で目指しているのは、もっと子どもは何を学びたいのか、どう学びたいのかという子どもの側の論理(学びの文脈)に寄り添った授業づくりです。学習意欲を基盤にして、自らが学びに向かっていく姿を描いています。

―先生にとって、小学校国語の「書くこと」の指導の難しさとは、どういうところでしょうか。

 書くことは子どもたちにとってハードルの高い学びです。文脈や状況から切り離されて、一人で考えを巡らさなければいけませんし。書こうと思うことも浮かんでは消えを繰り返します。相手を想定するのも簡単なことではありません。先生たちにとっても、一人一人の子どもたちへの対応や作文の評価はもっとも悩むところでしょう。

―本書では、「説明的作文」「文学的作文」「作文コンテンツ」の3つの章で書くことの授業アイデアをご紹介いただいていますが、書かせたい文章ジャンルや学習事項に応じた指導を考える上で、気をつけるべきポイントは何でしょうか。

 文章のジャンルが定まるとそれに沿った指導が展開できます。しかし、ジャンルありきではありません。大事なのは、「相手」「目的」です。相手や目的によって、何を書くべきか、どう書くべきを考えることです。その時に参考になるのがジャンルですし、形式や技法を使ってどのような表現が可能かを探してみるのもいいでしょう。

―小学校では、いよいよ4月から新課程での授業が始まりました。これからの「書くこと」の授業では、どのようなことを大切にすべきだとお考えですか?

 先生も子どもたちも「作文!?」と構えずに、もっと気楽に、さまざまな場面で書くことを楽しめるといいですね。そうやって書き慣れていったら、思いがけない自分の思いや考えに出会う、言葉の巧みさに気付く授業が展開できると思います。大事なのは、書くことのプロセスですし、書きたい内容を湧きたたせ、書ける環境をつくることです。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 書くことは負荷の大きな学びです。しかし、書くことの楽しさにふれていくと、子どもたちはどんどん書いていきます。ものすごい成長を見せてくれるのも書くことです。評価は簡単で楽しめるものに! 何度も書き直すより次の書くへ! 先生の発想を変えて、子どもたちの書くに感動して、書く文化をクラスに育てていきましょう!

(構成:大江)
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