著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
休み時間は休んでいるだけじゃもったいない!
箕面市教育委員会 指導主事日野 英之
2018/9/13 掲載

日野 英之ひの ひでゆき

1982年愛媛県生まれ。信州大学教育学部を卒業後、大阪府公立小学校で12年間勤務し、平成30年から現職。現在、「箕面教師力向上学習会」代表を務める傍ら、「関西体育授業研究会」「授業力&学級づくり研究会」「ただただおもしろい授業を追求する会」などにも所属。
子どもも観客も感動する!「組体操」絶対成功の指導BOOK』『クラスの絆がグッと深まる!「なわとび」絶対成功の指導BOOK』『団体演技でみんなが輝く!「フラッグ運動」絶対成功の指導BOOK』『3年目教師 勝負の学級づくり』『3年目教師 勝負の授業づくり』『3年目教師 勝負の算数授業づくり』(いずれも明治図書)など共著書多数。

―本シリーズは、書名にも「48手」とあるように、48種類の方法や活動が収録されています。なぜ「48」なのでしょうか。

 はじめにも書かせてもらってますが、相撲の決まり手が48手あるというところから「48」という数字を引用させていただきました!
 というのが建前で、本当のところは、姉妹本『ただただおもしろい指名の方法48手』を執筆した垣内幸太先生が、「ただただおもしろい授業を追求する会」で指名の方法48手を披露されまして…その後、会に参加された先生方がこぞって「実践してみました!」って垣内先生に報告に来られるわけですよ。100、200もいいけれど、これぐらいの量の方が先生方は取り組みやすいのだと思いまして…「自分の48手は?」と考えた時に「休み時間ゲーム」が思い浮かんだというわけです。

―これだけ休み時間に使えるゲームのネタをストックしていたら、人気の先生になれそうですね! 本書に、「子どものタイプに応じたゲーム」一覧も収録されていますが、選び方のポイントをぜひ教えてください。

 大切にしたいことは一覧の「@新たな一面を開拓」というところに集約されているような気がするんですよ。かつて、あまりクラスで目立たなかった子が僕とじゃんけんをしましてね…16連勝したんですよ。5連勝ぐらいから人が集まり出して、記録が更新される度に教室が割れんばかりの大歓声ですよ。一躍その子は学級のスターになりました。
 なので、○○くんの、○○さんの新たな一面は、どのゲームだと引き出しやすいかという視点でゲームを選んでみることが大切だと思いますね。

―もし、ゲームがおもしろ過ぎて、休み時間が終わっても子どもたちがやめたがらない場合、どのようにして次の授業に切り替えればよいでしょうか。

 何でもそうじゃないでしょうか? やり切らせるのではなく、満足感に満たせるのではなく、少し手前で終わらせることで、子どもの「やりたい」意欲が生まれると思うんです。チャイムが鳴った! 「え〜!」という不満な声は、次なる楽しみが見出された声だと思うようにしてみてください。そう思うことで教師も踏ん切りがつきやすいでしょうし、「楽しみはまだまだ先に取っておこうよ」ぐらいの声で、子どもも納得して授業に入っていきますよ。

―夏休み明けは、久しぶりにクラスのみんなと再会します。そんな時におすすめの休み時間ゲーム、ベスト3を教えてください。

 休み明けは、緊張や照れってありますよね。緊張や照れは「関わること」で解消できます。ですので、できるだけ短い時間で、教師と友だちとたくさん対決できるゲームがいいでしょう。ということで…
 第1位 せーの! 対決
 「夏休み。一番楽しかった日は何月何日?」など夏休みにまつわる簡単な質問を交えて、思い出の共有も!
 第2位 どっちの手かな対決
 夏休みの思い出のものを消しゴム代わりに握るのもおもしろい!
 第3位 10秒ピッタリ! 対決 
 1秒、3秒など時間を短くすることで対戦数を増やすことができます!

―最後に、全国の先生方に向けメッセージをお願いします。

 これからの授業は道徳科をはじめ、自分の価値観が揺さぶられる授業や場面が多くなりますよね。価値観が揺さぶられる6時間の授業って、子どもにとって結構応えますよ。そうなると、休み時間の価値というものが、ますます高まると思うんです。
 そんな貴重な貴重な休み時間。子どもたちがほっと一息つける時間に、心が解放される時間に、そして…笑顔があふれる時間に。そんな時間づくりのために本書を活用いただければ嬉しいです!

(構成:木村)
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