著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学ぶことが楽しくて仕方ない自学を始めよう!
山口県下関市立一の宮小学校教諭福山 憲市
2018/6/12 掲載
今回は福山憲市先生に、新刊『授業づくりサポートBOOKS 自主学習システム&ノート作成法』について伺いました。

福山 憲市ふくやま けんいち

1960年山口県下関市生まれ。広島大学卒業。山口県下関市立一の宮小学校教諭。現在、「ふくの会」というサークルを33年継続。「ミスをいかす子ども達を育てる研究会」も組織し、ミス退治運動を進行中。著書に、『国語授業が100倍盛り上がる! 面白ワーク&アイテム大事典』『全員が喜んで書く!作文指導のネタ事典』、『15分で国語力アップ!小学校国語科アクティブ・ラーニング型面白ワーク60』、『20代からの教師修業の極意〜「出会いと挑戦」で教師人生が大きく変わる〜』、『スペシャリスト直伝!学級づくり“仕掛け”の極意』など多数。

―まず初めに、先生は、自主学習の取り組みに30年以上取り組まれているとのことですが、ずっと続けている理由を教えてください。また、先生が自主学習に取り組もうと思ったきっかけは何でしょうか?

 自主学習に取り組んで30数年。1年生から6年生の担任・特別支援学級担任・専科などをしてきましたが、どの時代の子どもたちも、自分が進んで学ぶことができる自主学習に、目を輝かせて取り組んでいました。その素敵な姿をずっと見続けたいから、続けています。
 取り組み始めたきっかけは、今は亡き有田和正先生の〈追究の鬼〉を何らかの場で、挑戦してみたいと思ったことです。

―本書では、自主学習システムや自主学習ノートの作成法について、一から丁寧にご紹介をいただいております。1章で自主学習システムの3つの原則についてご紹介いただいておりますが、簡単に教えていただけますか。

 3つの原則の1つ「全員の原則」は、全ての子どもが自主学習に臨むことです。これを全(員)力と呼んでいます。自主学習は、互いに切磋琢磨・対話しながら高めるものだと思っています。「リフレインの原則」は、とことん追究することを楽しむこと、「プラス1の原則」は、人とは違ったオンリーワンを常に目指すことです。自分らしさをここで出します。これら3つの原則を子どもたちに浸透させるための仕掛けを、本書には数多く紹介しています。

―自主学習にチャレンジしたいが、クラスの状況から、全員が本当に取り組めるのか不安…という先生もいらっしゃるかと思います。そんな先生は、まず何から始めればよいでしょうか。

 本書に、全員が取り組めるようになる仕掛けを紹介していますが、スタートするにあたって、自分自身がいつも気を付けていることは、子どもたちが「自主学習って楽しい。面白い。もっとやってみたい」と思う場を、畳み掛けるように仕掛けることです。全員経験の場で、周りの子どもたちがどんどん変わっていく姿を見せるようにしています。周りから刺激を受けることで、確実に全員が自主学習に挑み始めます。

―自主学習ノートに長年取り組まれてきて、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

 本書にも書いているのですが、テーマ別自学ノートを毎日30冊やって来る子がおり、専用の手提げ袋に入れて持ってきていました。ある日、その手提げ袋が重みに耐えかねて破れてしまったのです。衝撃でした。また、その年は、多くの子がテーマ別自学に挑戦しました。本書に写真を紹介していますが、2学期には自学ノートを積み上げると、2mの山になっていました。追究の鬼になると、こんなに自学に楽しんで取り組むのかと思いました。

―最後に、本書を読んで、「自学ノートに取り組んでみよう!」と考えられている読者の先生方に、メッセージをお願いします。

 本書に書いているように、教師が1年間の〈見通し〉を持って取り組むと、自学が自楽に大きく変わっていきます。学ぶことが楽しくて仕方ないという子どもたちに必ずなります。1年間かけて、じわじわと〈自額から自学、自学から自楽〉へと変えていってほしいなと思います。教師自身が1年間の〈見通し〉をもって、焦らず楽しく取り組むこと、それが〈教師自学〉でもあると思っています。本書に取り組んで感想もいただけると幸せです。

(構成:茅野)
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