著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子どもたちを笑顔にし、人をつなぐ音楽授業を!
大阪府公立小学校教諭土師 尚美
2018/3/6 掲載
 今回は土師尚美先生に、新刊『教師力ステップアップ 3年目教師 勝負の音楽授業づくり』について伺いました。

土師 尚美はぜ なおみ

大阪府公立小学校教諭。大阪教育大学教育学部卒業。大阪教育大学附属池田小学校を経て現職。授業力&授業づくり研究会所属。日本学校音楽教育実践学会会員。『学校における「わらべうた」教育の再創造―理論と実践―』(黎明書房)、『使える授業ベーシック第11号』(学事出版)、『授業力&学級経営力』 『3年目教師 勝負の学級づくり』 『3年目教師 勝負の授業づくり』 『スタートダッシュ大成功!学級開き大事典』(明治図書)、『小1教育技術』(小学館)などに執筆。

―本書は、教師になって3年目からステップアップするためのシリーズですね。3年目くらいの先生から、音楽の授業づくりに関してよく相談される悩みはなんでしょうか。悩みに対するアドバイスも含めて教えてください。

 音楽の授業づくりの中でも、特に「音楽づくり」と「鑑賞」をどう教えていいかわからないと相談されることが多いです。特別に考えるのではなく、表現(歌唱・器楽・音楽づくり)と鑑賞、どれも同じように考えることが大切です。教え込もうとするのではなく、まずは子どもたちが感じたことを自由に表現できるような授業を考えてみてはどうでしょうか。

―先生は、教師10年目で音楽専科になったそうですね。学級担任ならではの音楽授業づくりのポイントを教えていただけるでしょうか。

 学級担任のよさは、他教科と関連をさせやすいことです。例えば生活科で1年間の成長を振り返った後、音楽の授業でそれを歌にする、音楽の授業で歌っていた遊び歌を使って体育の時間に歌いながら鬼ごっこ遊びをするなど。音楽はいろいろな場面で活かすことができます。また、音楽では、他教科であまり目立たない子が活躍できる場をつくりだすこともできます。

―では、音楽専科だからこそできる授業づくりのポイントも教えていただけますか。

 こうでなくてはならないと授業を縛り付けないことです。音楽専科では、次から次へと違うクラスがやってきます。同じ学年で同じ内容だからと、全く同じように授業を進めようとすると、うまくいかず、焦ってしまうこともあります。「クラスによって違うもの」と認識しながら授業づくりをしています。子どもたちは他のクラスと比較されることを嫌がります。各クラスの雰囲気や状況に応じて、授業を進めていくことが大切です。

―本書では、音楽で心を一つにすることを目指していますね。クラスが一つになるような授業をつくるために、常に心掛けていることはなんですか。

 たくさんの友達と関わることができる仕掛けをたくさん入れることです。「お互いの声を聴き合ってみよう」「○○さんの考えを取り入れてみよう」「○○さんの演奏素敵だね」……。音楽を通して、一人ひとりのよさを見つけることができる時間になればと願っています。音楽は人をつなぐ力を持っています。これからも、この仲間といたから楽しかったと思える音楽授業にしていきたいですね。

―最後に全国の先生方へ向けメッセージをお願いいたします。

 一所懸命に歌を歌っているときの子どもたちの顔を見ていると幸せな気持ちになります。仲間の声、音を聴きながら、真剣に考えている子どもの顔をみると嬉しくなります。音楽は、子どもたちを笑顔にします。音楽は、人をつなぐ力をもっています。そんな音楽のよさを本書には、詰め込みました。本書が、教師も子どもも幸せになる音楽授業のお役に立てることができるならばこの上ない喜びです。

(構成:木村)
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