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(2020年5月28日追記)
この記事でご紹介している書籍は、旧教科書対応版となります。
新教科書対応版は、『特集 特別支援「通常の学級でやさしい学び支援シリーズ」』よりご覧ください。
漢字学習のつまずきは、「漢字の難しさ」と関連しています。
「漢字の難しさ」のひとつは数の多さです。小学校で1006文字、3・4年生は1年で200文字を覚えなければいけません。数が多いので一文字ずつ覚えるやり方ではパンクしてしまいます。
もうひとつの難しさが形の複雑さです。形の捉えに苦手さを持つ子どもは、複雑な形を覚えて書くことにつまずきます。
さらに読みの難しさもあります。同じ文字なのに現れ方で読み方が変わります。読みの苦手さがあると、漢字の読みをおぼえるのが困難になります。また、漢字テストで漢字を思い出しにくくなります。
このワークには4タイプのワークが収録されています。それぞれの特徴は次の通りです。
「かくれたパーツをさがせ」:たくさんの漢字を覚えていくには、部首(漢字パーツ)を手がかりにすると効率的です。漢字の形や意味を手がかりに隠れているパーツを思い出していくワークです。(脚注1)
「漢字足し算」:形の苦手さを持つ子どもは、漢字全体の形を捉え正確に書いていくことが困難です。漢字の部分を足し算で組み立てていくワークで、形が整いやすくなります。
「足りないのはどこ」:不注意さを持つ子どもは、練習しても漢字を正確に覚えていくのが苦手になります。どこが足りないのか注意して、考えながら漢字を書くことが大切です。
「漢字を入れよう」:文章の中の抜けている漢字を、文章の意味から推測して書き入れるワークです。読みの苦手な子どもに最適なワークです。
これまでの「漢字支援ワーク」は多くの方に使っていただいて、漢字の苦手な子どもにも効果的と、好評を得ています。一方で、習った漢字をすぐに練習するには使いにくいとの声もいただきました。
今回の教科書対応版では、教科書に出てくる順番に、単元や学期に合わせて、習った漢字が4種類すべてのワークで練習できるようになっています。(脚注2)
学校でも家庭でも、学習進度に合わせて使いやすい構成になっています。
頑張って何回も漢字を書いて練習しているのに、なかなか覚えられない。そんな困り感を持っている子どもたちに、ぜひ使ってほしいと思います。
漢字も勉強も、自分から進んでできて、自分で調べ考えてはじめて身につくものです。「かくれたパーツをさがせ」では、前の学年までに習った漢字を思い出す練習、「漢字足し算」では、漢字を使ったことばや熟語を考える練習も含まれています。教えてもらって書くよりも、電子辞書やタブレットを使って自分で調べることが大切です。「自分でできた感!」「わかった感!」が、漢字を覚えることにつながります。
漢字学習に苦手感を持っている子どもはたくさんいます。何回も書く練習をして努力しているのに成果があがらない。そんな積み重ねで学習意欲をなくしてしまうこともあります。
そんな子どもたちのために「やさしい学び支援」ができるよう、このワークを作りました。頑張っている子どもにエールを送っておられる、先生方やお父さんお母さんに使っていただけたら幸いです。
脚注1:1年は、「かくれたパーツをさがせ」の代わりに、絵を見て文に合う「ぴったり」の漢字を書いていく「ぴったりかんじ」というワークが収録されています。
脚注2:紙版は光村図書の教科書に対応しています。教育出版・東京書籍の教科書をお使いの方は、電子書籍(PDF)版をご利用ください。
(2020年5月28日追記)
この記事でご紹介している書籍は、旧教科書対応版となります。
新教科書対応版は、『特集 特別支援「通常の学級でやさしい学び支援シリーズ」』よりご覧ください。
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