著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学級崩壊させない先手必勝の「決めゼリフ」
奈良県公立小学校土作 彰
2014/7/19 掲載

土作 彰つちさく あきら

1965年大阪府八尾市生まれ。1990年より奈良県の小学校教員となる。初任者の時に学級が上手くいかず、打開策を求めて全国のセミナー行脚を始める。10年目までとにかく授業ネタの収集に明け暮れるが、何かが足りないと気づく。2001年に群馬の元小学校教師深澤久氏の学級を参観し衝撃を受ける。以来、教師に必要な「哲学」論を研究。最近は授業を学級づくりに昇華させる方法論として「3D理論」を考案。日々その実証に明け暮れている。

―先生は昨年『絶対に学級崩壊させない!ここ一番の「決めゼリフ」』(赤ラベル)を刊行されていますが、このたびの『先手必勝「決めゼリフ」』ではどのような点が異なりますか?

 赤ラベルでは掲載していなかった新しいケースを取り上げているほか、特に給食指導保護者対応に関する決めゼリフを集めてみました。
 給食指導では、いわゆるカフェテリア形式から、当番廃止制度へ徐々にステップアップできるように意識して編纂しました。また、保護者対応では懇談会などで信頼関係を気づくのに絶対落とせないものを選りすぐったつもりです。

―先生は「決めゼリフ」を多く持つことは教師力UPにつながるとまえがきに書かれていますが、それはどういうことでしょうか?

 指導にはスイートスポット…タイミングがあります。子どもや親が変わるのは、まさに乾坤一擲の決めゼリフをこれ以上ないというタイミングでぶつけられたときです。それが数分ずれても、ましてや翌日になっても遅いのです。
 ですから、ここぞのときにさっとぶつけられる「決めゼリフ」をたくさんストックしておくことで、効果的な指導が行えるのです。ある種、常にこんな問題が起こったらこうしようと準備しているような、一種のリスクマネージメントですね。

―本書では、保護者の方への「決めゼリフ」も収録されています。先生が保護者の方に向き合う時、まず大切にされていることをどうぞ教えてください。

 教師面しないということ、一人の人間として目の前の保護者や子どもに向き合うということです。
 人間臭さというか、泥臭いというか−そういったことを大切にしています。
 そして、「一緒にお子さんのこと考えていきましょうね。お子さんのことに全身全霊傾けていく覚悟です。」という自分のハートを伝えたいと思っています。

―本書中でもっとも先生が気に入っていらっしゃる「決めゼリフ」をどうぞ教えてください。

 全てです(笑)。
 しいて挙げるなら、

イラスト私はこのクラス30名の命と人生を預かっています。ただの一人さえも不幸にするわけにはいきません。

ですね。教師としての覚悟と信念を自らに言い聞かせる言葉でもあるからです。

―最後に頑張る先生への決めゼリフをこのたびもお願いいたします!

イラスト正義のヒーローは必ず決めゼリフを持っています。

 私たち教師の「正義」とは「子どもたちの力を伸ばすこと」だと思います。その意味で教師は「正義のヒーロー」だと思います。立ちはだかるいかなる困難とも闘っていく覚悟を持って、明日もまた笑顔であらゆる修羅場に肉薄していきましょう!

(構成:佐藤)
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