- 著者インタビュー
- 教師力・仕事術
「ミニネタ」とは授業内容に関連し、その内容に深みと奥行きを与える効果のある微細な教育技術のことです。授業は「材料7分に腕3分」と言われます。大きなネタでなくてもいいのです。いわゆる「チョイネタ」=微細な教育技術をたくさん持っていることが力=ミニネタ力になります。私はミニネタさえ良ければ「材料9分、腕1分」もありうるとさえ思っています。それだけ子どもを魅了するミニネタは効果絶大であり、最終的に教師の知的権威を確立することができるのです。
「面白い」は子どもを惹きつける際の初期段階といえるでしょう。まずは「面白い」で惹きつけ、次に「分かる」実感を持たせる。最後には「できる」実感を持たせる。そうすれば子どもとのラポールは確固たるものになります。そうすれば最終的には奇をてらったミニネタを用意しなくても、子どもたちは日々の授業を大切にしてくれるようになります。
国語なら「難読漢字テスト」、算数なら「筆算の原理」、社会なら「ユニオンジャックの秘密」、理科なら「真空ポンプ」、道徳なら「特攻隊の授業」、体育なら「陣取り」といったところです。
絶対にスベりません!
千葉の女性の先生がご紹介された「水産業」のネタですね。カツオの切り身ネタなんですが、実際に港へ出向いてネタを仕入れてこられたのです。わずか数分の授業のためにそこまでされる心意気に圧倒されました。残念ながらその先生は早世されたのですが、その「ミニネタスピリット」は今も私の魂の中に息づいています。
なんだかんだ言ってもミニネタを数多く持つことは大きな武器となります。子どもをあっと言わせるミニネタを、教育のプロとしてたくさんゲットして下さい。即効性もありますが、その蓄積はベテランになったときに大きな効果を生み出します。