
- 著者インタビュー
 - 教師力・仕事術
 
 同じ状況でも、頭を悩ます教師と、楽観的に考える教師がいます。
 それは、教師としての心のもちようが違うからです。
 プロの教師たちは、授業や学級経営の力量が高いばかりではありません。
 プロ教師は、「教師としての心・考え方」も優れたものをもっているのです。 
 本書は、プロの力をもった先輩方のアドバイスを集めたものです。
 どの言葉も、きっと、「教師としての心」を育てる糧になることでしょう。
 教師の仕事は、過酷になっています。
 精神疾患による病気休職者の割合は、10年間で約3倍(※)になりました。
 教師になってたった1年で、教壇を去る人もいます。今や教師は、心を鍛えることなしには、勤まらない仕事となっています。
 アドバイスの中には、厳しい言葉もあります。「良薬は口に苦し」と言います。
 先輩からのアドバイスは、耳あたりのよいものばかりではありません。
 ちょっと我慢して読み進めてもらうと、きっと深い意味があることに気付けるはずです。
 「目から鱗」といった言葉にも出会えることでしょう。
 折れない心をつくるには、先達に学ぶのが一番だと考えています。
 実は、誠意ある教師ほど、多くの悩みを抱えています。
 教師という仕事に悩んでいる人。
 子どもとの関係で悩んでいる人。
 保護者や同僚との関係で悩んでいる人。
 教師の仕事に、真剣に取り組んでいるからこそ、悩みが生じるのです。しかしながら、悩んでいる人は、その悩みで、身体を壊してしまうこともあります。
 誠意ある教師が、一人、また一人と現場からいなくなる。
 そんなことにならないよう、教師としての心・考え方は、広く世に知られる必要があります。そう考えて、本書の執筆を進めました。
 悩みある全ての教師に、本書をオススメします。
 本書には、学校現場で私が受けてきたアドバイスもたくさん詰まっています。
 困ったときや、悩みを抱えたとき。
 心ある先輩が、様々なアドバイスをしてくれました。
 アドバイスには、勇気づけられるものがたくさんあります。
 他にも、教育の先達の言葉も紹介しました。
 繰り返し読み返し、言葉の深い意味まで感じ取ってほしいと思っています。
 第5章には、私の教師としての10のルールを入れました。教師としてぶれないようルールをつくり、それをもとに仕事をしてきました。仕事部屋に貼って、いつでも見直せるようにしていたものを、本書で初めて公開します。
 「折れない心」をつくるため、本書がきっと役に立つはずです。
※出典「平成22年度教育職員に係る懲戒処分等の状況について」(文部科学省)
