- 著者インタビュー
- 道徳
諸富先生:「とびっきりの道徳授業」、すなわち、「質の高い道徳授業」はこれまで、経験豊かな教師にしかできない名人芸のようなものと考えられてきました。これを可能な限り、「若手や、これまで道徳授業にあまり熱心でなかった人でもトライできる形にした」ものが、「すぐできる“とびっきり”の道徳授業」です。すなわち、若手教師や、これまで道徳授業にあまり熱心でなかった教師でも、「ここさえつかめばできる」良質の道徳授業とその具体的な型を紹介したのが、本書の特徴なのです。
尾高先生・土田先生:新しい資料を使うということは、副読本の資料を探したがなかったことを意味します。つまり、新しい資料を使うことで、よりねらいに迫ることでき、タイムリーに子どもたちに考えさせられ、先生方がやってみたい授業ができるということです。注意点としては、自己満足にならないようにねらいに合っているのか、子どもたちにわかりやすい内容になっているか、など複数の目で十分に検討する必要があります。
尾高先生・土田先生:道徳の時間は、ワンパターンの授業が多く、教師にとっても子どもにとっても魅力的な授業が少ないのが実情でした。そこで、新しい手法を取り入れることで、教師の押し付けでなく、子どもが主体的に参加できる魅力的な授業を目指しました。注意点としては、手法のメリット、デメリットをよく理解し、手法に終始することなく、ねらいを達成するために手法を取り入れていることを忘れないことです。
尾高先生・土田先生:道徳の授業は子どもたちにとって楽しい時間でなければならないと思っています。そのためには、資料を読んだだけで結論がわかってしまったり、教師が話しすぎたり、一部の子どもたちだけ発言するような道徳の時間は望ましくありません。子ども主体で授業が進み、互いの意見をしっかり聴いて、学び合える授業を構想していくことが大切です。常に子どもの目線に立って、資料を選択・開発し、資料に合った手法を取り入れるべきです。
諸富先生:みなさんの中には「道徳はちょっと苦手だな」「ワンパターンで子どものノリが悪いな」「自分でやってても、面白くないもんな」といった思いをお持ちの方もおられると思います。けれども、本書があれば、大丈夫です。そんなあなたにこそ、手に取ってほしいのが、この本です。道徳授業は「どの授業をモデルにするか」で、腕の良しあしがほぼ決まります。この本で紹介されている「すぐできる“とびっきり”の道徳授業」をモデルにして、あなたも、今日から「道徳ができる先生」の仲間入りをされてください!