著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
アイデア次第で「音楽づくり」が大好きな授業に変身!
国立音楽大学准教授今村 央子ほか
2012/3/14 掲載
 今回は今村央子先生と酒井美恵子先生に、新刊『楽しくつくるアイデア満載!「音楽づくり」成功の授業プラン』について伺いました。

今村 央子いまむら ひさこ

1966年千葉県に生まれる。東京藝術大学作曲科、同大学院ソルフェージュ科修了。1992年伊藤国際教育交流財団の奨学金を得て渡仏。パリ国立高等音楽院にて和声科、対位法科、フーガと形式科を審査員全員一致の一等賞、ピアノ伴奏科を審査員全員一致の二等賞を得て卒業。1997年に帰国後は、自作初演を含むピアノ・リサイタルやレクチャーコンサート等の開催、作編曲、雑誌連載、新作初演等、作曲家兼ピアニストとして幅広く活動を展開している。現在国立音楽大学准教授、東京藝術大学講師、日本ソルフェージュ研究協議会理事。

酒井 美恵子さかい みえこ

国立音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。東京都の公立中学校の音楽科教諭及び指導主事を経て現在、国立音楽大学准教授。日本音楽教育学会、日本学校音楽教育実践学会などに所属。
論文・著作等として「J-POPを合奏教材とした一事例」(音楽教育実践ジャーナル通巻9号、日本音楽教育学会、2007)、『中学校音楽科新学習指導要領ガイドブック』(共著、教育芸術社、2008)、『中学校新学習指導要領の展開 音楽科』(共著、明治図書、2009)、『初任者研修実務必携』(編著者、第一法規、2009)、『中学音楽が魅力的に変わる!授業プランの新モデル24 第1学年編』『同 新モデル30 第2・3学年編』(何れも編著、明治図書、2010)、『動いてノッて子どもも熱中!リトミックでつくる楽しい音楽授業』(共著、明治図書、2012)などがある。

―「音楽づくり」は、音楽の中でも敬遠される分野のようですが、「音楽づくり」の活動の魅力や、それによって身につく力とは、ズバリどのようなものでしょうか。

 まず、音や音楽の美しさや楽しさを実感できる活動であることが魅力だと思います。そして、音楽づくりを通して身の回りの音や音楽を集中して聴く資質が高まります。また、そのことにより日常を楽しい気分で過ごすことができます。さらに学校での音楽づくりならではの友達同士のコミュニケーションの力や子どもの自尊感情の育成につながります。

―教師自身あまり作曲の経験もなく、どうしても効果音づくりのような活動しかされていない実態もあるようです。「音楽づくり」の授業に取り組むために、まず何からはじめればよいでしょうか。

 効果音づくりのような学習活動もとても価値があります。本書でも物語に音を付ける学習を紹介しています。さらに様々な音楽づくりが授業で展開できるようにしたいですね。本書は授業に活用できる映像をお付けしていますので、まずは先生方が本書を見ながら映像を確認し、これは取り入れられそうだ!という活動からはじめてみてはいかがでしょう。

―本書では、どの授業プランでも体験活動がたくさん盛り込まれているのが特徴ですね。体験活動を取り入れるよさは何でしょうか。

 まず活動により、楽しさとともに音楽の特徴を感じ取ることが大切です。十分に音楽を形づくっている要素を踏まえた活動をしてから、「実はこれは3拍子という拍子だったのか」や「TWXの和音だったのか」と知識に結び付けると定着を図ることができるという考えに立って体験活動をたくさん盛り込んでいます。学年が上がるにつれて、記号や用語などの知識が生きて働くように構成しています。

―付属DVDは、本書に収録した20題材の導入部分を全て網羅していますが、実際の授業での活用方法を教えてください。

 まずはAll Playで再生して、著者からのメッセージを受け取っていただき、各題材に沿った映像をご覧ください。担当していらっしゃる児童を思い浮かべながら見ていただくと、「これはそのまま使える!」というものと「使う前に体験させておきたい活動や身に付けさせたい技能等がある」というものがあろうかと思います。そして、授業で使う際は、導入でお使いいただけます。映像には対象学年を入れていませんので、下学年の題材もぜひ取り入れてみてください。

―最後に、「音楽づくり」の授業に取り組もうという先生方へ向け、メッセージをお願いします。

 ぜひ先生方も、児童と一緒に音を発見する喜び、音楽をつくり上げる楽しさを感じながら、取り組んでいただければと思います。本書のQ&Aにも書きましたが、まずは楽しむ気持ち、そして基本的な歌唱と器楽の力があれば、DVDを活用してすぐにでもはじめられます!

(構成:木村)
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