著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
身近な題材の「一〇〇マス作文」で書く力を高めよう!
鳥取市立高草中学校教頭三谷 祐児
2012/2/24 掲載
 今回は三谷祐児先生に、新刊『どの子も楽しく書ける! イラスト「一〇〇マス作文」ワーク』について伺いました。

三谷 祐児みたに ゆうじ

鳥取市立高草中学校教頭
1957年鳥取市生まれ。立命館大学文学部卒業。山口県公立小学校教諭、鳥取県公立中学校教諭などを経て、1995年兵庫教育大学大学院修了。鳥取市立富桑小学校教頭を経て、現在に至る。著書に『書く力を高める小学校「一〇〇マス作文」入門 題材選択能力の育成と共通・継続・肯定実践』などがある。

―「一〇〇マス作文」とはいったいどのようなものなのですか? 簡単にご紹介ください。

 作文が苦手な子は「書くことないもん」と言います。書きたいことが見つけられないのです。そこで、題材を選ぶ力を鍛えたら作文が書けるようになるのではないかと考え考案したのが、3分間で100字程度の作文を書く「一〇〇マス作文」です。書くことへの抵抗感をなくし、自分の思ったこと考えたことを書きなぐるようにして書くのです。作文の基礎トレーニングといってよいかと考えます。

―「一〇〇マス作文」では、作文を書いた後に内容を五七五にまとめるそうですが、そのことにはどのような効果がありますか?

 三つの側面があると考えます。一つ目は、五七五の作品を作る練習になります。二つ目は、「一〇〇マス作文」で書いた内容を五七五でまとめますので、要約する力をつけます。三つ目は、「一〇〇マス作文」が書けなくても五七五の作品を作ることができればOKとしていますので、長文が苦手な子の五七五への取り組みが期待されます。

―この「一〇〇マス作文」ワークではどのような題材が取り上げられているのでしょうか?

 長年、私が実践をしてきた中で、今実際に教室で指導されている先生方がほしいと思われる題材を集めました。学校での学習や行事が中心ですが、子どもの生活体験が生きる題材を収めています。また長作文や児童詩への発展が期待される題材も集めています。多くの事例を「発展」に載せていますので参考になさってください。

―作文が苦手という子も多いと思いますが、作文をどんどん書きたくなる指導のポイントにはどのようなことが挙げられますか?

 タイムリーにほめ(認め)、力があることに気づかせ、可能性を示してやることです(肯定実践)。そのためにもみんなで(共通実践)粘り強く取り組んでいくこと(継続実践)がポイントです。短い中にもその子独自のもののとらえ方が表れるものです。そこを大事にしそれに気づかせていく観察眼を持ちたいものです。

―最後に読者のみなさんに一言、メッセージをお願いします。

 「一〇〇マス作文」は万能ではありませんが、作文の基礎トレーニングや苦手な子の作文指導には必ず寄与すると確信しています。全国で実践されている様子を見ましてもその感を強くしています。この実践を切り口にそれぞれの学校でオリジナルな作文教育が実践されることを期待しています。皆さん、どうぞよろしくお願いします。

(構成:木山)
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