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- 音楽
リトミックは、スイスの作曲家エミール・ジャック・ダルクローズ(Émile Jaques-Dalcroze: 1865-1950)の創案した音楽教育法で、次のような特徴があります。
- 音を聴き、感じ、身体から音楽を理解し、さらに音楽をとおして心身ともに情緒豊かな人間を育てる
- 身体全体からわき出てくるような喜び、うれしさ、楽しさを奏で、そこから音楽を創る
- 表現することの素晴らしさを経験し、音楽の感性を高める
様々な年代の方々に指導をしていますが、まず感想として「楽しい」とおっしゃってくださることが多いです。
今までも、特に低学年ではリズムに重点を置いた音楽活動を授業で行っていましたが、本書では、すべての学年、すべての領域・分野で、体を動かす活動を提案しています。平成23年度から全面実施されている小学校音楽の学習指導要領では、〔共通事項〕が新設され、音楽を形づくっている要素を聴き取り感じ取ることを大切にした授業展開が求められています。音楽を形づくっている要素は、体を使った活動を取り入れることで、とても実感しやすくなります。
歌唱共通教材は、低学年の8曲を網羅しました。歌のお兄さんとお姉さんの美しい歌声と、曲に合った素敵で楽しい動きをぜひ子どもたちに見せて、一緒に歌ったり動いたりしていただけると嬉しく思います。また、授業で生かせる動きのモデルを多数収録してあります。授業の導入での常時活動として、あるいは、たとえば音階を用いた創作の学習に入る前に、音階の映像を見たり一緒に歌ったりするなど、授業の内容とかかわらせて多様にお使いいただけます。
いろいろな説明は抜きにして、まずは実際に体を動かしてみましょう。次の活動は、音楽に苦手意識のある子どももすぐに取り組めます。
- 拍の流れにのって動く心地よさを味わう活動
- 音色に合わせて動いて、音の美しさを実感する活動
- 旋律に合わせて体を動かしながら歌うなどして、まとまりのあるメロディーのよさを楽しむ活動
これらにより、きっと音楽そのものの魅力をダイレクトに実感することができるはずです。苦手意識のある子どもも「音楽が楽しい」と思えることでしょう。楽しいことは意欲の高まりにつながり、次第に苦手意識が解消されることと思います。付属DVDをぜひご活用ください。
子どもたちのたくさんの笑顔を思い浮かべながら本書をつくりました。十分活用して、子どもたちに音楽の魅力を実感できる授業を展開してください。なにより、先生方ご自身が生き生きと楽しく授業をなさることが大切なことだと思います。