GIGAスクール構想で変える!1人1台端末の授業づくり
1人1台端末導入で、授業が確実に変わります。そして、仕事術も確実に変わります。具体的な実践のヒント・授業のノウハウを伝授!
1人1台端末の授業づくり(20)
今、SNSで話題の「Canva」「kahoot!」を樋口学級で使う
香里ヌヴェール学院小学校樋口 万太郎
2023/1/10 掲載
  • 1人1台端末の授業づくり
  • 授業全般

 今、SNSで話題の、

  • Canva
  • kahoot!

について樋口学級の使い方などを紹介していきます。

 みなさんはkahoot!やCanvaを使用されていますか。きっとこれから教育書でこのアプリが使用されている実践などが出てくることでしょう。kahoot!やCanvaの使い方などは検索してください。すぐに、わかりやすいサイトがでてきます。

1 樋口学級のCanvaの使いかた

 Canvaとは、無料で使用することができるオンラインのグラフィックデザインツールのことです。
 私は、今3年生を担任しています。総合的学習の時間(以下、総合)では、

あなたは琵琶湖観光大使に就任しました。
琵琶湖観光大使として、琵琶湖をアピールしよう。

という課題のもと、子どもたちは調べ学習をしたり、実際に琵琶湖合宿(2泊3日で琵琶湖で体験をしたり、資料館にいったりしてきました)で体験をしたりしてきました。それらのことをもとに、琵琶湖をアピールするためのポスターづくりのために、樋口学級では、Canvaを使用しています。
 Canvaの使い方は、総合的な学習の時間で子どもたちに基本的なことを教えました。とはいっても、全員がすぐに使い方をマスターできるわけではありません。使い方に困ったときには、「先生、わからない〜」といった声が当初はよく聞こえてきました。そんなときは、
「○○さん(Canvaの使い方に慣れている子)に聞いてごらんよ」
と伝えることがあります。そのように伝えることで、

コミュニケーションをするためのきっかけ

になります。
 ただ、いつでも「○○さんに聞いてごらんよ」というわけではありません。○○さんが何か集中して取り組んでいるとき、今は話かけるタイミングではないときは、言わずに、私が教えるようにしています。何か集中して取り組んでいるとき、今は話しかけるタイミングではないときに話しかけられると、私たちも嫌な思いをしませんか。それと同様です。この場面では、○○さんには集中して欲しいと思うときがあることでしょう。しかし、◯○さんが「サポートするよ!」という時があります。あきらかに集中にかけているときには、「○◯さん、サポートするといってくれてありがとう。ごめんね。でも、今は自分のことをしてごらん」ということもあります。このように、場面によって、どのようにするかを見分ける必要があります。

2 先日、ホワイトボードに…

 先日、樋口学級の教室のすぐ外にあるホワイトボードに、以下のような紙を貼りました。

画像1

 特に子どもたち全体ではこのことを伝えませんでした。でも、貼ったその日のうちに、子どもたちがすぐに見つけ、「なにこれ!おもしろそう!」といっていました。そこで、その子たちに作成したものの提出の仕方を伝え、取り組ませ始めました。もちろん全員がCanvaで作成しているわけではありません。私はそれでよいと思っています。
 すると、1ヶ月後には、以下のようなホワイトボードへと変貌していました。子どもたちはちょっとした隙間時間につくったり、これまでタイピングを行っていた代わりに作成したりしていました。家庭で作成している子もいました。1ヶ月後も全員が作成しているわけではありませんでした。

画像2

 全員の子どもたちがCanvaで作成はしていないものの、日々変わる掲示物をみています。掲示物をもとに話をしている子たちもいます。
 この取り組みのねらいは、Canvaを使うことではありません。漢字の間違えそうなところをみて間違えなくなるとか、算数の大切なことに改めて気づいて欲しいとかのねらいも正直ありますが、それらのねらいは副産物です。
 では、この取り組みのメインのねらいとは、上記と同じで、

コミュニケーションをするためのきっかけ

をつくりたいということです。Canvaで作成するとき、掲示物をみているときにコミュニケーションをとってほしいと願っており、このような取り組みをしているのです。

3 Kahoot!

 Kahoot!とは、無料で使用することができるクイズアプリです。TBS系列で放送される「オールスター感謝祭」のクイズのような雰囲気があります。(伝わるでしょうか(笑))
 先日、

宿題の問題をKahoot!にするとよいのではないか

というツイートをしました。すると、実際にされた方もおり、Kahoot!でよい成績を取りたいという目的のもと、普段宿題をしてこない子たちがしてきたという話も聞きました。外発的動機かもしれませんが、とても有効な使い方かもしれません。
 私は、

  • 子どもたちが問題を作成、その問題をみんなで説き合う
  • テスト前に単元の復習
  • 本時につながる問題の復習

といった知識を確かめるためなどに使用しています。Google Formsなどを使用すれば、子どもたちが作成した問題をすぐにKahoot!上で適用することができます(詳細は、検索してみてください)。
 Kahoot!を授業冒頭でするときは、「5分休憩中に繋いでおいてね」と子どもたちにいうことがあります。Kahoot!が子どもたちは大好きです。普段授業に遅れてしまう子もしっかりと準備をすることができたり、しっかりと授業にのぞむことができたりしているという話も日本各地から聞きます。

 kahoot!やCanvaは、Googleやロイロノートなどの学習支援アプリではできないことをするために使っているサブ学習支援アプリというイメージが私のなかではあります。

樋口 万太郎ひぐち まんたろう

1983年大阪府生まれ。大阪府公立小学校、大阪教育大学附属池田小学校を経て、2016年より京都教育大学附属桃山小学校教諭。「子どもが楽しむ・教師も楽しむ」「子どもに力がつくならなんでもいい!」をモットーに日々の算数授業を行っている。著書に、『子どもたちの学びが深まるシン課題づくり』『GIGAスクール構想で変える!1人1台端末時代の算数授業づくり』『GIGAスクール構想で変える!1人1台端末時代の授業づくり』『GIGAスクール構想で変える!1人1台端末時代の授業づくり2』『GIGAスクール構想で変える!1人1台端末時代の国語授業づくり 物語文編』『GIGAスクール構想で変える!1人1台端末時代の国語授業づくり 説明文編』『GIGAスクール構想で変える!1人1台端末時代の学級づくり』(明治図書出版)などがある。

(構成:及川)

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