- はじめに
- 第1章 タブレット端末を導入すると授業はどのように変化するのか
- 1 6年データ活用領域の授業 Before→After
- @Before「1人1台タブレット端末なし」→After「1人1台タブレット端末あり」
- A「1人1台タブレット端末なし」の授業
- B本実践のねらい
- C「1人1台タブレット端末なし」の授業の反省
- D「1人1台タブレット端末あり」の授業で変わる4つのこと
- E子どもたちが考える「1人1台タブレット端末あり」の授業のよさ
- 2 授業に導入するときに気をつけたい10個の問題
- @シンキングツール映え問題
- Aアウトプット限定問題
- B見方・考え方を働かせていない問題
- C教師の指示以外認めない問題
- D結局このままでいいよね問題
- Eすぐに結果を求めようとする問題
- F教師の話す量が多い問題
- G同じがなくなる問題
- H二項対立問題
- I個別ではなく孤独問題
- 3 よくある6つの質問
- @ノートとタブレット端末の使い分けをどうしていますか
- A板書とタブレット端末の使い分けをどうしていますか
- Bすべての活動がタブレット端末上で完結すると思いますか
- C最初からタブレット端末を授業でバンバン使っていたのでしょうか
- D授業や子どもたちは変わりますか
- E何から取り組むことがいいですか
- 第2章 端末導入期から「3つの段階」において意識したこと
- @「わくわく期」において
- A「やらかし期」において
- B「安定期」において
- Cすべての期間において
- 第3章 子どもと保護者とともに考える端末導入
- @目指す姿を保護者と共有する
- A児童ICT委員会の立ち上げ
- BICT活用ガイドラインの作成
- C子ども主体でルールをつくる
- D授業は資質・能力/活動は目的ベースで判断する
- 第4章 ICTを活用した見方・考え方を働かせた授業実践例
- 1 国語6年「海の命」
- 2 社会5年「米づくりのさかんな地域」
- @ICTの日常化へ向けての3つの段階
- A端末を活用した社会科学習の進め方
- B授業の実際
- C実践を終えて
- D授業の改善を
- 3 社会5年「未来とつながる情報」
- @単元内自由進度学習
- A授業の実際
- B実践を終えて
- 4 社会5年「わが国の産業を支える運輸」
- @ニトリの事例を通して運輸を扱う
- A学習計画を立てる場面での端末活用
- B話し合う場面での端末活用
- C単元を振り返る場面での端末活用
- 5 理科4年「もののあたたまり方」
- おわりに
はじめに
GIGAスクール構想により,学校にそして各学級にタブレット端末がやってきて,数ヶ月が経ちました。導入される間際に急いで運用方法などを考えた自治体がほとんどのことでしょう。SNSを見ると,「市を通して○○なことに取り組んでいます」というプラスなことから,「カメラ機能が使えないんです」「ルールが厳しすぎて……」といったマイナスなことまで各地の様々な情報が溢れており,複雑な感情でその情報を見ていました。
さて,今みなさんはどのような思いをお持ちでしょうか。
順調に授業でタブレット端末を使っているでしょうか。
それとも,困っていることがあるでしょうか。
もし困っているのであれば,それは何が原因でしょうか。
操作に慣れていない子どものせいでしょうか。
操作に慣れていない教師のせいでしょうか。
それらも原因の1つかもしれませんが,根本的な原因はそこではありません。根本的な原因として,10の問題があると考えています。1章ではその10の問題を紹介しています。この10の問題をクリアしたとき,上記の悩みはきっと解消されていることでしょう。
2章では,端末導入から「3つの段階」において意識したことについて書いています。導入してからが本当のスタートだと言えます。
3章では,子どもと保護者とともに考える端末導入について書いています。「保護者」という視点は重要です。
前著『GIGAスクール構想で変える! 1人1台端末時代の授業づくり』では,「導入するため」の基礎・基本について書きました。本書は,「悩みを解消するため」「よりよく使っていくため」の基礎・基本についての本と言えます。
本書がタブレット端末を活用し,子どもたちも先生も笑顔溢れる授業の一助となることを願っております。
/樋口 万太郎
コメント一覧へ