- はじめに
- 1 子どもが考え出したくなる「課題2.0」
- @課題を変革しよう
- A教育DX
- B課題1.0から課題2.0へ
- C3つの事例から課題2.0へのポイントを考える
- D課題2.0の構造
- Eなぜ課題2.0に取り組む必要があるのか
- 2 実践例から考える!子どもたちが考え出したくなる課題づくり
- @課題2.0の実践事例1:ローリング音読
- A課題2.0の実践事例2:「拡大と縮小」の実践
- B課題2.0の実践事例3:「道のりときょり」の実践
- C課題2.0の実践事例4:表現物を鑑賞する
- D課題2.0の実践事例5:わり算
- E課題2.0の実践事例6:様々な事例
- ○課題づくり13のポイント
- 3 「課題2.0」の弱点と「シン課題」へのステップアップ
- @課題2.0は完璧な課題ではない……
- A課題2.0の2つの闇
- B課題2.0は子ども主体ではなく,教師主体?
- C問題発見力と問題解決力
- D大人も問いをつくる力が弱くなっている?
- E結局構図が変わっていない
- F参観した授業・飛び込みした授業
- 4 子どもたちの学びが深まる「シン課題」
- @シン課題
- Aシン課題の授業例
- Bシン課題に取り組んでいるときの子どもたち
- C問いの可能性
- D最後に……
- おわりに
- 参考・引用文献
はじめに
本書を手に取っていただき,ありがとうございます。
本書を手に取った方々は「子どもたちがより動き出すためにはどうしたらいいのか」「もっと自分ごととして学習に取り組んでほしい」といった悩みをお持ちではないでしょうか。本書の提案は,シンプルです。
課題をアップデートしよう!
今ある課題をより活かしていこうよ!
ということです。
・子どもが考え出したくなる課題
・子どもがグループで取り組みたくなる課題
・子どもが表現をしたくなる課題
・子どもがタブレット端末を使うことによさを感じる課題
・子どもが見方・考え方を働かせる課題
・子どもが深い学びを実現する課題
といった子どもが主語となる課題を本書では,
「課題2.0」,そして「シン課題」
と呼ぶことにしました。
「課題2.0」「シン課題」によって,
「子どもたちが自ら動き出します」
「どの子も顔が真剣になります」
「子どもたちが学びを深めていきます」
といった子どもの姿を見ることができます。
「課題2.0」「シン課題」は,0から1といったように0からつくり出すのではありません。1から2といったように今ある課題を革新していくことが大切です。今ある課題をより活かしていこうよ,という提案はここにあります。現状ある素晴らしい課題も活かしきれていない可能性があります。それでは,課題1.0なのです。
しかし,そのための課題のつくり方は本書には掲載していません。これまでの数多くの教育実践にも「課題2.0」「シン課題」があるからです。そういった有名な教育実践を,本書1冊だけにまとめることができないからです。
そして,1番の理由はこの本についてマニュアル本や,そのまますればよいといったスキル本にしたくなく,
自分たちで試行錯誤しながら課題づくりをしてほしい
と願っているからです。つまり,読者のみなさん自身で課題をつくるという力をつけてほしいと願っています。
安心してください。マニュアルのかわりに,「課題2.0」「シン課題」をつくるための方法や特徴,大切にしたいことを語っていきます。
本書が課題づくりの一助になることを願っています。
/樋口 万太郎
授業の課題(めあて)が教師主体になっているが子どもたちが動いている姿を見てそれで良しとしている、という記述は刺さった。
この本に書いてある内容を参考にしてこれからの「課題」を設定したいと思いました。