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今回のねらい
日本語の中には外来語と呼ばれるものがあります。子どもたちが大好きなおやつにもビスケット、クラッカー、ケーキ、プリン、アイスクリーム、チョコレートなど毎日目にするもの、耳にするものがたくさんあります。また、いちご・ストロベリー、りんご・アップル、ぶどう・グレープのように日本語、それと同じものを意味する英語圏からの外来語の両方がよく知られているものについては、カタカナ表記の読み方そのものが英語の発音であると考えてしまいがちです。
小学校の英語活動や、英語教室で『いちご』の絵を見せると元気よく「ストロベリー!(su・to・ro・be・ri・i)」と答えてくれますが、先生のstrawberryの発音より長い言葉のように聞こえます。先生のお手本をリピートしますが、リズムよく言えず発音が難しそうです。何度か繰り返すことだけで改善できるのでしょうか。今回から2回にわたり、英語の語が持つリズムへの気づきを促す活動、英単語をリズムよく言えるようにする練習を紹介します。
語のリズムを作っている、音の長さの単位は「音節」というものですが、日本語の場合、1文字が1音節にあたります(日本語は音節とモーラ音節(拍)があります。ここでは日本語のモーラ音節を基本とし、英語のリズムとの違いに気づくことを試みます)。
例えばゆっくり「りんご」と言ってみます。聞こえた語の持つ「音」の数だけ手を叩いてみましょう。いくつ手が叩けましたか。「り(×)」「ん(×)」「ご(×)」のように3つ叩けますね。「りんご」には3つの「音のかたまり」つまり3つの音節があります。
英語は1文字が1音節に対応しているとは限りません。strawberryはstraw-ber-ryという3つの音節に分けられます。しかし、1文字1音節の日本語のように発音すると、su・to・ro・be・ri・iのように6個の「音のかたまり」を作ってしまいますね。そのため語を言うと長くなりますし、リズムよく言うことができません。さあ、ではまず英単語の音節リズムを捉えてみましょう。
くらべてみよう、語のリズム!
- 概要
- 英語圏からの外来語を使用し、日本語のリズムで発音する場合と英語のリズムで発音する場合の違いをよく聞き、それぞれいくつの「音のかたまり」(音節リズム)からなるか捉え、比較する
- 目的
- 英語と日本語の音節リズムをくらべてみよう
- 対象
- 小学3年生以上〜
- 準備
- 下記のような比較表、太鼓など音の出るもの(指導者)、シェイカー(各自)
※なければ手拍子で
比較表の例
日本語のリズム | 英語のリズム | ||
---|---|---|---|
(さんどいっち) | (sandwich) | ||
(あっぷる) | (apple) | ||
(すとろべりー) | (strawberry) | ||
(ぐれーぷ) | (grapes) | ||
(はんばーがー) | (hamburger) |
()は読み上げ時の参考
学習の流れ
- 黒板に表を作成。(上の図参照)各グループに表を印刷したプリントを一枚ずつ配布してもよい
- 日本語を話す桃太郎と、英語を話すピーターパン、日本語を話す担任の先生と、英語を話すALTなど、日本語のリズムで発音する場合と、英語のリズムで発音する場合の違いがわかるような話し手を用意する(1人2役でもよい)
- 提示する語の実物または絵カード(例:サンドイッチ)を見せ、「何かな?」子どもたちから普段の日本語での言い方を引き出す。日本語のリズムで発音し、「いくつの音のかたまりに分けられるかな」とたずねる
- 子どもたちはシェイカーを振りながらリズムを取って発音し、拍数(音節リズム数)を数え、いくつに分けられるか言う。音節リズムの数だけ表に〇を記入する
- 次に英語の発音を聞かせ、「いくつの音のかたまりに分けられるかな」とたずねる。子どもたちは同様にシェイカーを振りながら音節数を数え、表に〇を記入する
記入例
日本語のリズム | 英語のリズム | ||
---|---|---|---|
〇〇〇〇〇〇 | 〇〇 | ||
〇〇〇〇 | 〇〇 | ||
〇〇〇〇〇〇 | 〇〇〇 | ||
〇〇〇〇 | 〇 | ||
〇〇〇〇〇〇 | 〇〇〇 |
指導のポイント
- 日本語の音節リズムで発音したときに比べ、英語の音節リズムで発音すると、「音のかたまり」として捉えられる拍数が、同じか、多くの場合英語の方が少なくなるということへの気づきを促すようにします。
- 英語圏からの外来語として日常に浸透している語は、英語学習でも「知っている」ものとして音への関心が向けられないまま通り過ぎてしまいがちですが、この学習を通して英語の「聞こえ方の違い」に興味を持たせるようにしたいです。
※URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。
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