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この時期の子どもたち
子どもを叱らなければならないときというものが、必ずあります。子どもたちはまだまだ成長過程だし、理解できないことも多く、してはいけないことをしてしまうものです。
子どもは、間違いを起こして、叱られて反省して成長するものですから、教師が叱るというのは教育的行為だと考えます。(体罰や怒鳴りつけることを指しているのではありません。)
ただし、叱ることには責任が伴うことを忘れてはいけません。叱った後、最後まできちんと始末をつけるということが大切です。最後とは、子どもがそのことを理解し、行動に現すところまでです。そして、その成果や努力を褒めることで終わるべきですね。
担任が気をつけたいポイント
感情的にならないようにクールダウンする
だいたい、教師が子どもを叱るとき、子どもの行為に対して腹が立っているときが多いので、なかなか冷静に叱れないものです。しかし、感情的になってしまったら教育ではなくなってしまいますから、心にしっかりと「クールダウン」をおいておかなければなりません。僕もよくそれで失敗をしてきました。難しいことであっても、クールダウンです。
子どもは叱られると、自分を否定されたとか、先生に嫌われたとか思ってしまいがちです。腹立ちに任せて子どもを叱ってしまうときは、特にその怖れが強くなります。子どもの言動を叱ったのであって「先生はあなたが嫌いだから叱ったのではない」ということを本人に伝えましょう。
保護者への対策も考えて叱る
「親が怖くて教師なんてしていられない」と開き直れる時代ではありません。保護者のことは、頭において叱るべきです。微妙なのですが、僕が言っているのは、保護者によって態度を変えろということではなく、叱る以上は、同時に保護者への対策も考えなければ無責任になるということなのです。
叱られ方や程度にもよりますが、30年前の子どもは、まず、叱られたことを親には言いませんでした。言ったら、さらに親から叱られるからです。「先生に叱られるなんて、恥ずかしいことをするな」というように。
今は、違います。親は子どもにどうして叱られたのかを聞いて、納得がいかなければ学校へ連絡します。子どももそのことを知っていて、自分に都合のいい言い方をします。
こんなことを書くと、「子どもを信じていないのか」とおっしゃる先生もいらっしゃるかもしれませんね。でも、今の子どもは、そんなに甘くありません。けっこう、したたかです。
先手必勝。叱ったことを連絡する
叱った内容にもよるのですが、叱ったことについては、保護者に連絡を入れる方が良いと思います。保護者に連絡を入れるということを頭においていたら、叱るときに、より正確に事実を確かめてから叱るようになるでしょう。
また、保護者に伝えるときは、何よりも事実が大切ですが、子どもの悪口ばかりを並べ立てて言うべきではありません。叱ったこと以外に、最近の子どもの姿を語れると良いでしょう。
多賀先生からのワンポイントアドバイス
子どもの良い姿、認められる行為などを日々、記録しておくことが大切です。その記録が、子どもを深く理解することに役立ちます。そして、何かあったときに、保護者との話をスムースに進めることにも使えるのです。
僕の前任校のモットーは「常に備えよ」という言葉でした。何かあってから考えるのではなく、常にいろいろなことに対応できるべき準備をおこたらないことが、学級教育でも大切だと思います。
- 参考:「多賀マークの教室日記」しかり方・ほめ方10箇条
http://www.taga169.com/%EF%BC%91%EF%BC%90%E7%AE%87%E6%9D%A1