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消費者の強い味方? 1日から消費者庁がスタート!
kyoikujin
2009/9/14 掲載
消費者庁設置関連三法―消費者行政が変わる! 関連法新旧対照表つき

 7日の読売新聞の記事によると、1日に発足したばかりの消費者庁に、4日間で600件以上の相談電話がよせられたとのこと。事前に公開していなかった電話番号だったために、これほどの件数がかかってくるとは担当者も予想外だったようで、「消費者問題への国民の関心の高さを改めて思い知らされた」と述べています。政権交代の影響もあって、消費者庁のスタートは順風満帆とはいきませんでしたが、今後、私たちの生活にどんな影響を与えるのでしょうか?

消費者庁の仕事

 消費者庁が管轄する範囲は、消費者行政に関する業務全般に及び、消費者事故等に関する情報を集約し、その分析や発信を行います。また、特定商取引法や景品表示法、日本農林規格(JAS)法など、一般市民の生活に身近な問題を取り扱う29の法律を所管することも含まれます。PL法として知られている製造物責任法も今後は消費者庁が所管することとなります。さらに、消費者から寄せられた情報をもとに調査を行い、事故製品の流通禁止や回収を命じたり、業者への立ち入り調査や勧告などの行政指導にあたったりするほか、業者を監督する省庁に不十分な点が確認されれば改善を求めることもその仕事となっています。

波乱のスタート?

 消費者庁の管轄する範囲は非常に広く、食品や家電製品などの事故から、悪徳商法までの様々な問題を、消費者の立場から一元的に対処してくれる、生活に密着した非常に頼もしい存在なのですが、政権交代のあおりを受け、今後、長官の人事が変更される可能性も噂されています。また、職員に関しても、内閣府や公正取引委員会、経済産業省、厚生労働省など9府省1委員会から、消費者問題を担当していた約200人が集められているため、上手くチームワークを作れるのか、という疑問の声も聞かれます。さらに、最寄りの消費生活センターにつながる「消費者ホットライン」をスタートさせる予定が、システムの構築が遅れて、発足には間に合わず、まず福島、山梨、島根、香川、沖縄の5県だけで先行実施することにもなってしまいました。準備不足は否めないといったところでしょうか。

 また、7日の読売新聞の別の記事には消費者は保護されていないと感じている人が6割超もいるという調査結果も載せられていました。まだまだ、行政の消費者保護の姿勢は不十分と感じている人が多いようです。

 中学校社会科の新指導要領では、消費者保護に関して、公民分野の内容の取り扱い(3)のイにおいて

「消費者保護」については、消費者の自立の支援なども含めた消費者行政を取り扱うこと。

とあり、今後は中学校から、消費者保護に関しても学ぶ機会が増えてきそうです。ニュースを見てもわかるとおり、毎日様々な問題が起きていますが、それらの問題が、いつ自分の身に降りかかるかもわかりません。消費者庁が本当にわたしたちの強い味方になってくれるのか、期待したいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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