
21日の読売新聞の記事によると、これまで画定していなかった青森県十和田市と秋田県小坂町にまたがる十和田湖の県境に関して、「青森6、秋田4」とすることが昨年の12月に決定したとのこと。なんと、廃藩置県以来137年ぶりの画定だそうですが、この県境の画定には、地方自治体が直面している深刻な財政難が深く関係しているようです。
境界の画定という点では、今年の2月にも茨城県の霞ヶ浦で、湖上の境界が沿岸の11市町村の協議によって画定され、画定した湖上の面積が、各自治体の面積として加えられたようです。また、滋賀県の琵琶湖も2007年に関係する市町村の協議の結果、湖上の境界が画定されました。
このように湖上の境界が各地で画定されている背景には、深刻な財政難に悩む自治体が、面積に応じて交付される地方交付税を増額したいと思っているからのようです。読売新聞の記事中には、不況で税収が落ち込んだ静岡県でも、浜名湖の湖上の境界を画定させて、3000万円の地方交付税増額を目指しているとの事例も載せられていました。今回の十和田湖の場合では、境界の画定によって、関係する市町村に合計で6700万円の地方交付税が交付され、1600万円が増額される十和田市では、十和田湖周辺の市道の整備に、2400万円が増額される青森県では、観光地の活性化のために専門家を招いて講演などを開く予定とのことです。地域活性のために有効に使われることを期待したいですね。
現在、日本全国には15箇所ほどの都県にまたがる未画定地域が残されており、国土地理院のホームページで確認することができます。該当箇所を地図帳やインターネット上の地図閲覧サービス、国土地理院 地図閲覧サービス(ウォッちず)などで確認すると、本当に境界線が引かれていないことを確認できますので、興味のある方は、一度ご覧になってみるのもいいかも知れません。また、その他にも市町村単位での境界未画定地域は全国各地にあります。意外な場所が決まっていなかったりしますし、よく調べたら、自分の住んでいる地域にも未画定地域があったりするかもしれませんね。夏休みなど地図帳片手に、そういった場所を訪ねてみるのも、地理のいい勉強になるかもかもしれませんね。
- 境界未画定地域の覚書
http://www.geocities.jp/unlocated_area/index.html - 霞ケ浦、湖上の境界画定へ 沿岸11市町村の交付税8000万円増加
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090207/lcl0902071706001-n1.htm
八戸の人にこの時期は行くもんじゃないと反対されたんですが、雪化粧をした山々に囲まれた済んだ湖はとても雄大な景色で大満足でした。