著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ちっちゃいけれど効果じわじわ!いいアイテム
千葉県小学校教諭橋 朋彦
2020/12/11 掲載
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  • 教師力・仕事術
今回は橋朋彦先生に新刊『教室の願いをかなえるちょこっとアイテム』について伺いました。

橋 朋彦たかはし ともひこ

1983年千葉県生まれ。現在,千葉県小学校勤務。文科省指定の小中一貫フォーラムで研究主任を務める。教育サークル「スイッチオン」,バラスーシ研究会,日本学級経営学会などに所属。算数と学級経営を中心に学ぶ。

―橋先生、前著の「ちょこっとスキル」改め「ちょこっとアイテム」がこの度のテーマですね。「ちょこっと」に込められた思いをどうぞ教えてください。

 みなさんのつくりたい学級があると思います。その学級は、もしかしたらちょこっとした工夫で実現できる箇所もあるかもしれません。そんなお手伝いができたらなぁと思っています。アイテムはちょこっとしたものばかりです。しかし、アイテムを使う目的を考えたり、同じアイテムでも使い方を工夫したりすることで効果が大きく変わります。私と共著者の古舘のアイテムとの向き合い方が、みなさんのアイテムとの向き合い方の参考になれば幸いです。

―この度のちょこっとアイテムを手に入れるとどんないいことがありますか?

 ちょこっとアイテムを手に入れると、学級づくりや授業づくり、事務仕事がよりうまくいく助けになってくれると思います。しかし、私と共著者の古舘にとって、アイテムはただの便利なものではないかもしれません。アイテムは、自分たちのつくりたい学級や授業を見つめ直すためのツールです。「自分のつくりたい授業はなんだろう?」「自分のつくりたい学級はなんだろう?」と自分達と向き合い、実現するために使われています。つまり、アイテムを手に入れることで「願い」を磨いています。

―オススメのアイテムを1つ紹介してください。

 私が好きなのは、「ナンバーマーク指名」です。授業の質を上げるために、千葉県の野口芳宏先生から学んだ意図的指名を取り入れたいと考えました。しかし日々の授業で、机間指導をしながら考えた指名順をノートに書き、順番通りに指名するのは難しく感じました。そんな時に、番号の書かれた紙を子どもの机の上に置くアイデアを思いつきました。「カードに書かれた番号の順に発表しましょう」と声をかけると、子どもたちが順番通りに自分達で発表できるようになりました。尊敬する先生のご実践を自分の中に落とし込むことができたアイテムなので、お気に入りです。

―本作はシリーズで3冊刊行になりました。本シリーズはどんな方に手に取っていただきたいですか?

 「初任者の頃にこんな本があったらなぁ」という願いを込めて書いた本です。教育書にはどれも素晴らしいご実践が書かれています。しかし初任の頃、特に力のない未熟だった私はその実践を効果的に扱うことはできませんでした。つまり私は、ほんのちょこっとした実践しか扱えなかったのです。きっと、若手の中にも私と同じような悩みをもっている方がたくさんいらっしゃると思います。そんな方々のお力になれたらと心の底から思っています。

―本書を手に取ってくださった先生方に、ともに素敵な願いになるためにメッセージをお願いいたします。

 みなさんにはきっと、教室で実現させたい「願い」があると思います。しかし、うまくいくことばかりだけでなく、悩みもきっとあると思います。そんな悩みに寄り添い、「願い」を実現させるお手伝いができたらうれしいです。みなさんと同じように私も日々悩みながら学級に向かっています。子どもも教師も元気になるよう、一緒に力を合わせながら頑張っていきましょう。よろしくお願いします!

(構成:佐藤)

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