著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
思考を可視化して子どもの学びを深めよう!
東京学芸大学准教授細川太輔
2018/3/14 掲載

細川 太輔ほそかわ たいすけ

1978年東京都生まれ。東京学芸大学准教授。東京大学教育学部卒業、東京学芸大学連合大学院修了。教育学博士。私立小学校教諭、東京学芸大学附属小金井小学校教諭、東京学芸大学講師を経て、現職。主な著書に『国語授業アイデア事典 アクティブ・ラーニングがうまくいく!ペア&グループ学習を取り入れた小学校国語科「学び合い」の授業づくり』『国語授業アイデア事典 深い学びを実現する!小学校国語科「習得・活用・探究」の学習過程を工夫した授業デザイン』(編著・明治図書)などがある。

―本書では新学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」を実現する手立てとして「思考の可視化ツール」を提案しています。思考を可視化することにはどのようなメリットがありますか?

 主なメリットは、

  1. 自分の考えをまとめやすくなる
  2. 学び合いが効果的になる
  3. ふり返りや評価が容易になる

の3点です。お互いの思考が可視化されているので、学び合いが効果的になります。

―本書2章の準備編では、様々な「思考の可視化ツール」が紹介されています。授業で実際に活用する際のポイントを教えて下さい。

 「思考の可視化ツール」を用いる際には子どもに目的をしっかり理解させることが重要です。何のためにそのツールを使うのか理解しないとただの作業になってしまいます。目的を理解できると、子どもが使いたい時に自ら選んで使えるようになります。

―本書3章では、各学年2つずつ、全部で12の実践例が紹介されています。こちらはどのように活用してほしいですか?

 まず自分の学年の実践例を見てほしいと思います。その学年の素晴らしい事例が載っているので、どのように「思考の可視化ツール」を使うのか具体的なイメージがもてるようになります。使った後の子どもの様子もわかるので評価のヒントにすることもできます。

―新年度がもうすぐ始まります。スタートの1学期、まず使ってほしい「思考の可視化ツール」は何ですか?

 私が考えているのはホワイトボードです。小集団の話し合いに向いています。まず小集団での話し合いをしっかりできるようにして、学級を学べる集団に育てていってほしいと思っています。

―最後に全国で国語授業の改善を目指す先生方に一言メッセージをお願いいたします。

 主体的・対話的で深い学びを引き出す手段として「思考の可視化ツール」は有効です。ぜひ実際に学級の子どもたちと使ってみてよさを実感し、学級を学び合える集団にしてください。

(構成:木山)
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