心も身体も大きく成長し、教師の言葉がそのまま通じるところです。その反面、心と身体の個人差、男女差も激しいです。見た目は中学生でも、心はまだまだ成長しきれていなかったり、見た目は小学生でも心は思春期だったりというアンバランスさがあります。「高学年」で一括りにせず、一人一人と向き合うことが大切ですね。
学校を動かすダイナミックさですね。特に6年担任は子どもを通して間接的に学校を動かすことができます。学校行事や児童会などで6年生が活き活きと動き始めると、学校全体が活気に満ち溢れてきます。よく「6年生は学校の顔」と言われますが、管理職とは違う形で学校全体の運営に関わっていくことができます。
困っている場面があれば、ぜひそのページをすぐに開いて先生の言葉に解釈し直して指導してもらいたいと思っています。でも本当なら困らない方がいいのです。ですから、それぞれの場面に書いた困らないための「予防のポイント」を読んでいただき、今の先生の学級づくりの参考にしていただけたらと思っています。
女子の指導です。若い頃にどうしても私から距離を置く女子グループがいました。先輩から
「好かれようと思うな。教師は嫌われても指導しなくてはいけないことがある」
と教えていただきました。その言葉を聞いて、心が楽になったのを覚えています。血気盛んで強い指導のため女子が引いていたのでしょう。そんな時、子どもに活動を任せ、見守ることで子どもが能動的に動き出しましたね。
私もそうでしたが、「小学校の思い出」の多くは高学年での記憶です。ぜひ高学年での生活が幸せな思い出として残るものにしてほしいと願っています。高学年は任せれば任せるほど自信と責任感を持って取り組んでくれます。高学年ならではの子どもの力を信じて、すばらしい学級をつくってください。本書は、困った場面の実践集ですが、困らないためのきっかけにもなります。ぜひ手に取ってご覧ください。ありがとうございました。