大学生のときの授業で、英語の授業は先生が英語を使いやるのが当たり前になるべきだという話をしてくださった恩師がいたのです。私はその話を聞き、英語を使いこなす生徒を育てるには、まず教師がロールモデルになり英語を使わなければならないと強く思ったのです。だから私は教師になったときから英語で授業を進めることを自然に行ってきました。日本のようなEFLの学習環境では、生徒の日常生活で英語が溢れているわけではありませんし、意識しないと英語を耳にしたり口にしたりすることはない状況です。だから教師が英語を使用することで良質のインプットになりますし、時には言い淀んだりミスをして見せたりすることで生徒には英語を使う勇気を与えることができると思います。そして、生徒がアクティブに学んでいくためには生徒の英語使用量を増やしていくことが何よりも大切だと考えています。
Chapter2の授業のルールは、生徒にアクティブに英語を使わせていく授業をデザインしていく上での留意点だと思っていただければと思います。授業の中に私が挙げているルールがエッセンスとして入っているかをご確認いただければと思います。
私の授業におけるルールとマネジメントについては拙著『目指せ!英語授業の達人16 生徒を動かすマネジメント満載!英語授業ルール&活動アイデア35』もご参考にしていただけると幸いです。
教師が使い生徒が理解していけばよいPassive Classroom Englishと生徒自身も使えるようになるためのActive Classroom Englishの英語表現のリストになります。こうした表現は実際に生徒が使いたいと思ったもの、どう表現するのか質問が出たりしたものを中心に構成しています。本書には16のリストを挙げさせていただいています。実際の英語使用場面リストはまだあり、日々更新され新しい表現が加わり続けています。生徒とのインタラクションや言語活動の中で必要になった表現ばかりですので、先生方の授業でも使える表現がありましたら幸いです。
まず、生徒が頭と体を動かす言語活動が主体になる授業構成にすることだと思っています。それを個人レベルで終わらせずに、ペア、グループなどの学習形態を活用し、グループダイナミズムを上手く醸成していくことで、英語が不安な生徒も活動にのめり込むようになります。帯活動で活動をルーティン化させておくことでも生徒が安心し、スピーディに活動に入れるようになります。
アクティブ・ラーニングは取り入れるものでも生徒をただ活動させればいいだけのものではありません。声を発していなくても頭がワークしている状態になることが大切です。チャレンジングな課題(ジャンプの課題)に挑ませ、発問や教材の内容から生徒の心が動いたときに学びは深まります。またChapter4で紹介している言語活動アイデアには「対話的な学び」につながる「協同の視点」も掲載していますので、ぜひ参考にしながら活動してみてください。
生徒がイキイキとアクティブに英語を使い英語で考え学びを深める授業、生徒が前のめりになり時間を忘れて授業に没頭するような授業を目指していきましょう。本書がそんな想いをもつ先生方の一助となれば幸いです。
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- エンジェル
- 2017/5/31 23:47:29
英語教育を超えた人を育てる視点が書かれてある良書です。実際の先生の授業を見たら生徒さんたちがアクティブになるのがよく分かると思います。