- 著者インタビュー
- 学校経営
前著は、主に学級担任を読者に想定しました。大きな章立てを「学級経営」「授業」としたのも、その意図からでした。本書は、タイトルにもあるとおり、学校運営においてリーダー的な働きをする管理職や主任を想定し、「環境」「会議」「保護者・地域」などの場面における判断を題材にしています。さらに、「行政や教員養成大学」の仕事に見られる「かくれたカリキュラム」にも言及しています。
何と言っても、事前に細部にわたって「説明のつく」設定・準備・行動をすることです。次に、動き始めたら早い時期にその感触を聞き出したり、点検したりして、その動きの後押しをしたり修正をしたりすることです。そのためにも、管理職や主任はアクティブでなくてはなりません。本書では「毎日学校を回ろう」「会話・対話を多くしよう」「そこにいるだけでゴーサイン」など、具体的な動きの提案をしています。
「チーム学校」とは、「目標明確化軸」と「コミュニケーション軸」で象限を切った場合、どちらの軸もよく機能している学校のことです。(それについても、詳細に説明しています。)この2つを十分に働かせるには、「かくれたカリキュラム」の発見と改善が欠かせず、またそこに手を入れるのがもっとも効率的です。ですから、学校を改善するには、「かくれたカリキュラム」の発見と改善に、エネルギーを注ぐべきです。
この章は、前著と同じく武藤久慶さんに執筆してもらいました。学校が学び方を教えないことが「かくれたカリキュラム」として機能し、「勉強はやってもできるようにならないこと」、「努力は成果につながらないこと」を子供に学習させてしまうという恐ろしい事態を、豊富な具体例とともに詳しく解説されています。残念ながら学習方法・学習スキルをきちんと指導している学校は少ないのが現状です。問題提起だけでなく、解決策の提案も盛り込まれていますので、管理職や主任がリーダーシップを発揮して、すぐにでも学校改善に役立てて頂きたいと思います。
時代は、学校教育が難しい方向にどんどん進んでいます。3年もたずに辞めていく若手教員が増えています。それにもっとも歯止めをかけやすいのは、その学校の管理職や主任です。「かくれたカリキュラム」を発見・改善することで、学校は必ず元気になります。
ぜひ本書を参考にして、元気な学校をつくってください。応援しています!