- 著者インタビュー
- 学級経営
毎日行われる朝の会と帰りの会の積み重ねは大きいです。一日10分としたとき、年間200日間では、200日×10分で、約33時間にもなります。私の周りにいるすばらしい授業、すばらしい学級経営ができる教員は、授業がすばらしいのはもちろんですが、「朝の会」「帰りの会」のような短い時間の中にも、子どもの力を伸ばすための工夫を必ずしています。こうした積み重ねが、よい授業や優れた学級経営につながっています。
本書50ページでは、「大切な伝達事項はミニ黒板で特別感を」として、ミニホワイトボードを使った連絡方法を紹介しています。その日に絶対に外せない連絡があったら、ホワイトボードに事前に書いておきます。朝の会では、書いたものを読み、その後、計画黒板の下に一日掲示しておきます。子どもの目に触れやすいところに掲示しておくことで、大切な連絡をもれなく伝えることができます。
帰りの会を終えて、「さようなら」の挨拶をしたあと、子どもたちの好きなじゃんけんをしてお別れをします。「帰りの挨拶をしましょう。さようなら」「さようなら」「最初はグー、じゃんけんぽん」と勝っても負けても、勝敗に関係なく帰ります。
3勝したら帰ることができる「3勝ルールでさよならじゃんけん」もおすすめです。1回目に勝ったら帽子をかぶる、2回目は立つ、3回目に「さようなら」をする、というルールにすると盛り上がります。
朝の会は「業務連絡」になりがちですが、子どもは先生の語ってくれる「お話」が大好きです。人気がある話ベスト3は、「怖い話」「先生が子どものころの話」「不思議で謎めいた話」です。原稿を見ないで、自分の言葉で話すのが一番です。子どもは目を丸くして話に聞き入り、話が終わっても「もっと話して!」とせがみます。特に怖い話は、人気があります。そんな話を2つか3つ、持つようにしましょう。本書では、お話のヒントがいくつも掲載されています。
朝の会と帰りの会は、毎日行われます。毎日行うことだからこそ、短時間だからこそ、子どもの力を伸ばすための工夫をしましょう。「楽しい学級にしたい」「元気なあいさつができるようにしたい」「聞く力、話す力をつけたい」など、自分の目指す学級に近づけるために、この短い時間に何ができるかを考えて実践することが必要です。本書には、より充実した朝の会&帰りの会にするためのヒントが詰まっています。